
これは、ベビーカー利用者とのちょっとしたトラブルが、思いがけず心に残る体験となった日の話です。今でもふとしたときに思い出す、忘れられない1日です。
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エレベーターでの痛みとモヤモヤ
デパートで買い物をしていたときのこと。私はエレベーターに乗り込み、扉が閉まるのを待っていました。そこへベビーカーを押した女性が乗ってきました。
その瞬間、ベビーカーの車輪が私の足にゴンと当たりました。かなりの衝撃で、思わず息をのむほどの痛み。しかし、その女性はまったく気付く様子もなく、そのままベビーカーを前に押し続け、車輪は私の足に当たったまま動きません。
「これはさすがにひと言言わなければ」と思いながらも、周囲の静けさに気後れして、声を出せずにいました。
代わりに注意してくれた制服姿の女子
そのとき、近くにいた制服姿の女子高生が、はっきりとした口調で言いました。
「ねえ、さっきからずっと車輪、人の足に当たってるよ」
周囲が一瞬静まり返る中、その言葉はしっかりと響きました。女性はハッとしたように顔を上げ、「すみません……」と小さな声でつぶやき、次の階でエレベーターを降りていきました。
胸のつかえが取れた瞬間
ベビーカーの女性は、もちろん故意にぶつけてきたわけではないし、本当に気付いていなかったのだと思います。女性に対して申し訳なさを感じつつ、声を上げてくれた女子高生の勇気ある言葉に救われたのでした。
誰かが理不尽なことに対してきちんと声を上げる姿を見て、「正しいことを伝える勇気って、やっぱり大事だな」と感じました。
まとめ
小さな出来事でしたが、「見て見ぬふりをしない人の存在」が、こんなにも心を軽くするのだと実感しました。あの日の制服姿の女子の言葉は、今でも私の中で静かに響いています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:赤井誠子/60代女性・主婦
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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