
夫が退職して家にいる時間が長くなってから、わが家の雰囲気は少しずつ変わっていきました。会社で長く管理職をしていた夫は、家の中でもまるで上司のように振る舞うようになったのです。私が言えずにいた不満を、帰省した娘のひと言が代弁してくれました。
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家でも会社のような夫
夫は退職後、毎日家にいるようになりました。最初のころは、これまで忙しく働いてきた分、ゆっくり過ごしてほしいと思っていました。
ところが、しばらくすると夫は、食事の時間や掃除の仕方、洗濯物の干し方にまで細かく口を出すようになりました。「昼は何時にできるんだ」「ここにほこりが残っている」「新聞は先にこっちへ置いてくれ」など、まるで私に仕事を指示するような言い方をするのです。
私も最初は、急に生活が変わって夫も戸惑っているのだろうと思い、なるべく受け流していました。しかし、毎日続くと、家にいるのに気が休まらなくなっていきました。
娘が違和感に気付く
そんなある日、遠方に住む娘が久しぶりに帰省しました。娘が来てくれるのはうれしく、私はいつもより張り切って夕食の支度をしていました。
けれど娘は、夫の様子を見てすぐに違和感を覚えたようでした。夫は私に向かって「皿はそっちじゃない」「味噌汁はまだか」「お茶」と、当たり前のように言いました。
私はいつものことだと思って動こうとしましたが、娘の表情が少し曇ったのがわかりました。娘は何も言わずに見ていましたが、明らかに驚いている様子でした。
娘のひと言で空気が変わる
食後、夫がテレビを見ながら、また短く「お茶」と言いました。私は立ち上がろうとしましたが、その瞬間、娘が静かに口を開きました。
「お母さんは部下じゃないよ」
大きな声ではありませんでしたが、その言葉は部屋の空気を一瞬で変えました。夫は驚いたように娘を見て、しばらく何も言い返せませんでした。娘は続けて、「お願いするときは、ちゃんと言い方があると思う」と言いました。私は胸がいっぱいになりました。自分ではなかなか言えなかったことを、娘が代わりに言ってくれたように感じたのです。
その後、夫が急に別人のように変わったわけではありません。それでも、「お茶」とだけ言うことは減り、「お茶を入れてもらえるか」と言うようになりました。小さな変化でしたが、私にとっては大きな一歩でした。
まとめ
近い関係ほど、無意識に甘えが出てしまうのかもしれません。長年一緒にいる夫婦だからこそ、言わなくてもわかる、やってもらって当然と思ってしまうこともあります。けれど、家族であっても相手は自分の部下ではありません。感謝や敬意を忘れずに言葉をかけることが、穏やかに暮らしていくために大切なのだと感じました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:三浦雅美/60代女性・主婦
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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