サービス付き高齢者住宅(サ高住)とは

高齢者向けの賃貸住宅として、近年人気があるのが「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」。バリアフリーの設備が施され、安否確認や生活相談もしてもらえるので、高齢になっても安心して暮らせます。「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」は、賃貸住宅という位置づけなので、一般的には入居一時金は不要、かかるのは敷金、礼金のみで必要な介護サービスだけを利用できるといった手軽さが人気の理由のようです。

近年増加中の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」って?

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、国土交通省・厚生労働省が所管する「高齢者の居住安定確保に関する法律( 高齢者住まい法 )」の 改正によって創設された介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅で、60歳以上の高齢者または要介護認定を受けた60歳未満のかたをを対象にしています。2019年9月現在、247,644戸の登録があります。

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、その名に「サービス」という冠が付いています。しかしこの場合の「サービス」は、主に日中にケアの専門家が常駐して、入居者の安否を確認したり、生活相談に応じたりするといったもので、いわゆる「介護サービス」とは異なります。また選択性にはなりますが、食事の支度や清掃、選択などのサービスも依頼できます。

広さ・設備

「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」の各居室の専用面積は25平方メートル以上と定められていますが、台所、浴室など、共同スペースに十分な面積があった場合は、18平方メートル以上となります。また、各居室に、台所や水洗トイレ、収納スペースや洗面、浴室が設置されることが原則ですが、共同で利用するのに十分な面積の台所や収納設備、浴室が備わっている場合は、その限りではありません。また、手すりを設置したり、床の段差をなくしたりするなど、バリアフリー構造であることはいうまでもありません。

サービス

ケアの専門家(※)による「安否確認サービス」と「生活相談サービス」が提供されます。

※ケアの専門家:社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所等の職員 、医師、看護師、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員 、介護職員初任者研修課程修了者

入居条件

単身高齢者世帯および高齢者+同居者(配偶者/60歳以上の親族/要介、要支援認定を受けた親族/特別な理由により同居させる理由があると知事が認める者)。簡単に言うと、介護不要の自立者から軽度の介護が必要な要支援の高齢者までが対象になります。

しかし、一部の「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」では、「認知症ではない」「身の回りのことが自分でできる」などの条件を設定しています。

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の入居者が「介護サービス」が必要になったときは、自宅で介護を受けるのと同様に、外部の介護事業者と契約して、「居宅サービス」を受けることになります。

なお、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていて、介護付き有料老人ホームと同レベルの「介護サービス」を受けられる「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」もあります。

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と有料老人ホームの違い

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、安否確認サービスおよび生活相談サービスが必須です。

一方、有料老人ホームは、老人福祉法に基づき、

  1. 食事の提供
  2. 介護の提供
  3. 家事の供与
  4. 健康管理の供与

がその要件となっていますから、有料老人ホームの要件である①から④のいずれかのサービスが提供されている施設は、老人福祉法の指導監督の対象となり、(住宅型)有料老人ホームに該当します。

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の人気の秘密は?

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の人気は年々高まっています。なぜ人気があるのか? その理由に迫ります。

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は賃貸住宅(一部の「特定施設入居者生活介護」は除く)なので、「高額な初期費用は不要」

入居時には一般の賃貸住宅と同様に、敷金、礼金などがかかります。初期費用が安い分、入りやすさだけでなく、途中で退去したり、転居したりもしやすいことになります。また、敷金、家賃、サービス対価以外の金銭は徴収されないことが約束されているので、生活費の見通しが立てやすいともいえます。

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、必要な介護サービスだけを選ぶことができる

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」で介護サービスを受けるときは、自宅と同様、外部の介護事業者と契約して、訪問介護やデイサービスなど「自分に必要なサービス」だけを選ぶことができます。「介護サービス」を利用しない、または必要なサービスだけを利用することで、支出を抑えることができます。しかし一方で、有料老人ホームと同等の、もしくはそれ以上の介護サービスを希望すればその分の費用がかかりますから、注意が必要です。

制約の少ない「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、自由な生活ができる

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、あくまでも賃貸住宅ですから、有料老人ホームや特別養護老人ホームのように、起床時間や食事の時間が決めらるようなことはありません。また外出や来客の宿泊も自由、居室にキッチンの設備がある場合は自炊も可能ですから、自宅と同じペースで生活することができます。

主なサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

東急ウェリナ
リリィパワーズレジデンスのサービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅にかかる費用の目安

初期費用

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の入居時にかかる費用は、他の賃貸住宅と同様、敷金、礼金がかかるのが一般的です。ただし、「特定施設入居者生活介護」指定を受けた施設はその限りではなく、有料老人ホームと同様に、一時入居金が発生するので注意が必要です。

月額利用料

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」で月々かかるのは、家賃および共益費、水道光熱費に基本サービス費が加わります。食事や家事サービスなどを希望する場合は別途料金がかかります。また「介護サービス」を利用する場合は、利用した分の介護保険自己負担分や医療費も必要となります。

アクティブシニアの住み替え先「シニア向け分譲マンション」も

民間事業者が運営するいわゆる高齢者向けの住宅には、「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」以外に、高齢者向けの「シニア向け分譲マンション」があります。

「シニア向け分譲マンション」は、高齢者の生活に配慮されたバリアフリー構造のマンションで、多くの場合、富裕層を入居対象としています。そのため、居室以外にジムやカラオケ・シアタールーム、レストラン、なかには温泉など豪華な施設が併設されていたり、食事の提供や家事のサポートが提供されたり、ふだんの生活から余暇に至るまで、毎日の生活を充実させるための施設やサービスが備わっています。また多くの「シニア向け分譲マンション」で、フロントサービスやコンシェルジェサービスを提供しています。

また、「シニア向け分譲マンション」は購入者の所有物件となりますから、自由にリフォームや売却や賃貸ができますし、購入者が亡くなった場合には相続も可能です。

価格は一般的に販売されているよりは、設備や施設が充実している分、高額になります。また、毎月、管理費や修繕積立費のほか、さまざまなサービスの利用料金などが請求されます。

とはいえ、「シニア向け分譲マンション」は、「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者住宅(サ高住)」のように、設備や設置人員などの基準が設けられていません。また、介護が必要になった場合は、外部の事業者と契約し、デイサービスや訪問介護などのサービスを利用します。残念ながら、要介護度が重くなった場合は、住み替えも視野にいれなければならないでしょう。

基本的に自立した生活が送れる高齢者が対象となる「シニア向け分譲マンション」は、老後を楽しく、充実して暮らしたいというアクティブシニア向けの住宅といった観点で、他の高齢者向け施設とは一線を画しているかもしれません。

まとめ

高齢者の介護サービスといった視点より、比較的元気な高齢者が安全に暮らすといった意味合いの強い「サービス付き高齢者住宅(サ高住)。更にアクティブシニア向けの住み替え先として人気がある「シニア分譲住宅」。どちらも、突然やってきた「介護」に対応すると施設というよりは、老後をどんな風に暮らしたいかを考えたときの住み替え先としての候補になるのかもしれません。