納得いくまで家族で話し合った結果、父方のおばあさまが介護老人保健施設(老健)に入居された石川県にお住いのM.E.さんのケースです。
希望の施設に入るまでに1年。別の施設に入居しながら順番を待ちました
【プロフィール】
<入居者>父方の祖母
<施設種類>介護老人保健施設(老健)
<入居年齢>70代
<介護度>要介護2
<入居期間>2000年10月頃から2005年頃まで
<居住地域>石川県
<話を聞いたかた>長男の配偶者
入居者との関係
父方の祖母です。家族全員で介護をしていましたが、仕事や学校などのこともあり、祖母にも伝えて納得のうえで、介護老人保健施設に入居してもらいました。
医療的ケア・疾患、症状など
脳血管障害。脳溢血からいくつかの症状が加わったという感じでした。薬の服用とリハビリで主にケアしていただきました。
入居を決めた時期と理由
家族で祖母の介護をしていました。当時まだ学生で日中にも在宅していることが多かった私たち孫も面倒をみることがあったのですが、身体が大きかった祖母を抱えて移動させたり、トイレなどの世話をしたり、なかなかプロのようにはできませんでした。祖母には、私たちの負担を伝え納得してもらい、毎週何度か会いにいくことを決め、入居の順番を待ちました。最初は別の場所にしばらく入居し、その後長く介護老人保健施設で過ごしました。
施設の探し方
いくつかの施設を比較し、パンフレットを見たり、どのようなところなのかを直接見学しました。家族が納得できる場所であること、祖母自身にも納得してもらえるところであること、そして何より家族が通いやすい場所にあることが決めた理由です。またイベントや祖母が好きそうなことをきちんとしてくれる点も探すポイントでした。最も重要視したことは、介護をしてもらうスタッフのかたたちと祖母の相性が良さそうかどうかという点です。
入居の手続き、ステップ
最初に申し込んだ施設がいっぱいだったので、順番待ちとして予約をし、初めは別の施設に入居しました。その後、希望していた介護老人保健施設に転居、亡くなるまでそこで暮らしていました。介護のレベルによって入居できるまでに時間がかかりますが、それでもうちの場合は希望を出してから1年とまだ早かったのではないかと思います。
入居して良かったこと
何よりも家族の負担が減ったことと、プロが付いていてくれるという安心感がありました。定期的に医師が診察をしてくれるわけではありませんでしたが、それでも何かあったらすぐに病院へ連絡、対処方法なども決まっているところが良いと思いました。若い私たちにもきちんとわかりやすく説明をしてくれたスタッフさんには感謝しています。祖母が好きなさまざまなイベントがあることなどを条件に、祖母も家族も納得したうえで入居したことが良かったと思います。
入居して大変だったこと
入居して数カ月、祖母が寂しがってしかたがなかったです。それまで、家族と同居していたので、誰も知らない場所にいきなり一人で入居するということは、祖母には耐えられなかったようです。しかし、毎週数回、顔を出しにいくこと、イベントなどにも家族と祖母と皆で積極的に参加するようになって、施設に知り合いなどができてからは、ようやく落ち着きました。スタッフとの相性などもあり、喧嘩をするようなこともあったようですが、それもある意味、元気の理由になっていたようです。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設を調べるときには、まずどのようなことをしているのか、室内や介護をしているスタッフのかたたちの顔を直接見ることを意識していました。またイベントや介護施設で行われる行事などについても確認し、できるだけ顔を出してあげるといいと思います。一緒に過ごすことは施設に入居した人の心の支えになりますし、知り合いができるきっかけにもなります。またスタッフの方に普段の様子を聞くことで、安心して任せられるようになったとも感じています。