実のお母さまがサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居したことで、家族と向き合う時間を取り戻せたという神奈川県にお住いのS.K.さんのケースをご紹介します。
自分で全て背負うのではなく、他人に任せられるところは任せることが介護では重要
【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
<入居年齢>80代以上
<介護度>要支援2
<入居期間>2019年09月~2020年3月
<居住地域>神奈川県
<話を聞いたかた>長女
入居者との関係
実の母です。
医療的ケア・疾患、症状など
貧血。軽度のレビー小体型認知症の症状。少し悪い夢を見たりネガティブな言動を発したりすることがあります。酸素吸入器のサポートが必要。
入居を決めた時期と理由
知り合いの介護士にいろいろと母の介護について相談していたところ、「自分で全て面倒をみるのではなく他人に任せられるところは任せないと自分の家庭が破綻してしまうよ」というアドバイスをいただいたことがきっかけで老人ホームを中心に探していました。2019年9月にサービス付き高齢者向け住宅に入居しました。
施設の探し方
ネットなどで情報を探して資料請求などをして決めるのが一般的だと思いますが、たまたま地域の介護施設や老人情報などの情報に長けているかたが近所にいましたので、そのかたのアドバイスに従って探したのが実情です。一番重視したのが家から近く、かつ信頼できる事業者の運営かどうかという点です。やはり母にはいつでも会いにいけるところにいてほしかったですし、万が一、運営している会社が倒産でもして母の身に何かあったら大変なので、事業者の信頼性も重要視して探しました。
入居の手続き・ステップ
私自身働いている身としてはいつまでも付き添うことができない旨を話して母を説得するのですが、当初は施設への入居を嫌がっていました。知り合いにも手伝ってもらいましたが、ここが一番大変でした。あとは知り合いの介護士が「いいよ」と紹介してくれた施設が家から近かったこともあり、実際にそこの担当者と話をして決めたという流れです。ちょうど入居者の募集をしていたので、タイミングを逃したくないということもあり、とんとん拍子に話を進めた感じです。
入居して良かったこと
母には大変申し訳ないですが、私自身が介護する時間から解放されたことで、夫や子どもに向き合う時間を今まで以上に設けられるようになったことです。もちろん母の居室はスタッフが見回ってくれますし、私も毎週通っていますので寂しい思いはさせていないと思っています。お互いが不自由なく新生活を送れていることが一番良かったと思います。最初は渋っていた母ですが、元々が気さくな性格で、スタッフの方と打ち解けられたことも良かったです。
入居して大変だったこと
症状は軽いとはいえ、母はレビー小体型認知症との診断を受けており、悪夢にうなされることがあるようです。スタッフのかたを呼んだり、私の携帯に電話をかけてきたり、夜中に不安に陥ったとき対応が少し大変です。側にいれば多少話しかけて落ち着かせることもできましたが、施設では一人でいる時間が多いので余計不安になってしまうのかもしれません。母にはなるべく話しかけて付き添うようにし、不安を軽減させるようにしていますが、なかなかうまくはいきません。
入居を検討しているかたへのアドバイス
私が実際に言われた言葉ですが、介護を全部自分でやろうとすると大変です。自分の母は自分で面倒見るのが子の役目というのが昔からの価値観で、周りからもそのように見られがちです。しかし時代は少しずつ変わってきていて、相談できる場所や人も増えてきています。施設に預け入れる、入れないというのは別にして、まずは他人に相談してみることが重要だと思います。同じような境遇のかたもたくさんいますので、私だけじゃないんだという安心感もありますし、一人で抱え込まないことが何より重要だと思います。