「無趣味で仕事人間だった私…」老後は孤独とつまらない日々が続くと思っていたけれど【体験談】

「無趣味で仕事人間だった私…」老後は孤独とつまらない日々が続くと思っていたけれど【体験談】
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介護施設や自宅での介護、介護について調べたり、介護を考えるきっかけになったことなどの体験談、マンガ記事をお届けします。

老後不安のイメージ

現在私が取り組んでいるマラソンは、定年退職後に時間と暇を持て余していた私の人生を大きく変えるきっかけになりました。定年後にマラソンに取り組んだきっかけや、始めたことで得られたエピソードを紹介します。

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きっかけは健康診断  

私がマラソンを始めたきっかけは、年に1度受診している健康診断の結果です。会社員として働いていたときは営業マンとして1日外を歩き回っていたため、暴飲暴食をしていても大きな病気をすることはありませんでした。

しかし、仕事を辞めて自宅時間が増えたにも関わらず生活習慣を変えなかったことで徐々に体重が増え、内臓の数値も悪くなっていきました。定年退職をして初めての健康診断で、主治医から「今のままでは近いうちに大きな病気になる」と忠告され、一念発起をしてマラソンを始めることにしたのです。        

モチベーションを維持するために  

数ある運動の中でマラソンを選んだのは、学生時代に陸上部で長距離を専門としていたことが理由です。とはいえ、選手だったのは30年以上も前の話で、社会人になってからはろくに運動もしなかったこともあり、モチベーションを維持するのが困難でした。

そこで考えたのが、コミュニティサークルへの参加です。同じ趣味の人たちと一緒なら楽しく走れますし、何より自分から「入れてください」とお願いした以上、簡単にやめることはできません。サークルへの参加は、そういった自分を「やるしかない」という状況に追い込む意味もありました。

SNSで情報を集めて自分と同年代の人たちのサークルを見つけ、無事に入ることができたのですが、加入後に自分のイメージと違っていたことを知ることになりました。  

サークルの参加で変わった意識   

マラソンサークルといっても平均年齢は高めなので、てっきり皆で楽しく走る程度だろうと考えていました。しかし、その考えは甘く、最初の集まりで代表を務める男性から聞かされたのは、「数カ月後に控えた大会への参加」という驚くべき目標でした。

私が入ったのは、さまざまな地域で開催されているマラソン大会に参加をして、それぞれが設定した目標をクリアするという本格的なサークルだったのです。「健康維持ができれば」くらいの気持ちでいた私にとってあまりにも過酷でしたが、話を聞いてしまった以上はやめるとも言えません。

なまった体に鞭を打ち、他の人に食らいつくようにトレーニングを続けた結果、人並みに体力がつき、無事に完走することができました。この経験が私の意識を変えるきっかけになりました。健康目的で始めたマラソンが、厳しいトレーニングと大会への出場で陸上に夢中になっていた学生時代の気持ちを取り戻すきっかけになったのです。       

まとめ

無趣味で仕事人間だった私にとって、老後は孤独とつまらない日々が続くと思っていました。しかし、マラソンを始めたことで同じ趣味を持つ友人ができただけでなく、大会で記録を出すという目標も手に入れることができました。健康診断がきっかけとはいえ、新しいことにチャレンジしてよかったです。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

文/山本 育三郎

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