高齢になって施設に入居する場合は、入居金不要の月払いシステムが向いている【介護施設探しの体験談】

高齢になって施設に入居する場合は、入居金不要の月払いシステムが向いている【介護施設探しの体験談】

地方で一人暮らしをするおばあさま。「90歳を過ぎての一人暮らしは危ない」とかかりつけ医などのアドバイスもあり、施設への入居を決めたというA.K.さんの体験談です。

高齢になって施設に入居する場合は、入居金不要の月払いシステムが向いている

【プロフィール】
<入居者>父方の祖母
<施設種類>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
<入居年齢>90代
<介護度>自立
<入居期間>2010年から2014年
<居住地域>徳島県
<話を聞いたかた>孫

入居者との関係

父方の祖母です。地方で一人暮らしをしていました。息子である父や孫にあたる私が定期的に様子を見に行っていましたが、「90歳を過ぎての一人暮らしは危ない」とかかりつけ医などのアドバイスもあり、施設への入居を決めました。

医療的ケア・疾患、症状など

医療的なケアは必要ありませんでしたが、軽い認知症状がありました。

入居を決めた時期と理由

入居の直接のきっかけとなったのは、近くに祖母の面倒をみられる人間がいなかったからです。当初は、健康で元気だったため、食事やお風呂は共同スペースで部屋は個室タイプという近所の施設に入居を決めました。ただし医療的なケアはできないため、認知症の症状がひどくなればすぐに病院に移るというルールが前提にありました。何度か病院と施設を行ったり来たりしながら、最終的に病院に転院してそのまま亡くなりました。

施設の探し方

地元にいる母の知り合いの方に協力してもらって探したそうです。病院からの勧めもあったのかもしれません。かなり田舎のため、選択肢は少なく、あったとしても個室は満室のことが多かったようです。実際に見学に行ったときにスタッフの方の感じが良かったこと、プライベート空間が守られる個室があったことから、入居を決めたようです。私が見学に同行したとき、既に入居している方が楽しそうで、なんだか安心したことを覚えています。

入居の手続き、ステップ

入居を決めたのは息子である父なので、詳しい経緯はわかりませんが、入居を希望する施設は自立していることが条件だったので、医療的なケアが必要ないことを病院に診断してもらったようです。当時、祖母は一人でトイレにいくこともできましたし、寝ている間におもらしをすることもありませんでした。入居にあたっては、まず父と母、私が見学に行き、契約を決め、部屋を確保したうえで祖母に話をしました。

入居して良かったこと

最初は祖母が猛反発していたので、どうなるか心配していましたが、実際に見たり、暮らし始めてみたりした事で、施設を気に入ってくれたので、私たち家族もほっと胸をなでおろしました。どういった施設なのか口頭の説明ではなかなか理解できなかったようですが、見学した際に、普通のマンションのように個室を一人ひと部屋与えられること、食事は食堂で食べるため自分では作らなくてよいことなどが理解できて納得したようです。そしていざ入居すると、自分の家には戻りたくないというぐらい、施設になじんでくれました。

入居して大変だったこと

施設への入居を承諾してもらうまでが大変でした。老人ホームと聞いただけで泣いて、「死ぬ前にこんなひどい目に遭わされるのか」と父親をののしっていたことを覚えています。そんな言葉を浴びせられれば、毎月数十万かかる費用を支払う父もムッとしてずいぶん険悪な雰囲気になりました。「私も見学に行ったけど、きれいなお部屋をひとりで使えるし、実際に見たらきっと気に入ると思うよ」と私も祖母をなだめました。

入居を検討しているかたへのアドバイス

介護施設の虐待などのニュースを度々耳にしていたので、私も実際に祖母が入居するまではあまり良い印象がありませんでした。しかし祖母が施設に入居したことで、実際には快適に暮らせる施設もあるということもよくわかりました。ただし費用はかなりかかります。月払い方式にしたので、何千万円もの入居費用は必要ありませんでしたが、祖母が入居した施設は月々40万円近い費用がかかりました。シビアな話ですが、祖母のように90歳を過ぎて入居する場合、入居してすぐに亡くなったり、病気が進行して病院に入院したりすることもあるので、月払いシステムの方が向いているかもしれません。いずれにしても、まずは見学に行って雰囲気を確かめたり、既に入居している方とお話したりするなどして、どのような施設なのかを把握すると良いと思います。

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