認知症になってからも付き合いを続けてくれるお友だちもいて、電車で会いに行くこともあります。もちろん、お友だちも事情はわかっているので、迷子にならないように配慮をしてくれます。これは本当にありがたい!
今はわからなくなっても、人に聞きながらなんとかやっているようですが、自分のいる場所や最寄り駅がわからなくなったら……? と思うと、正直不安です。
最近、甘いものを食べたり買ったりするのを私たちに注意されると「無意識っていうのは怖いものね」と言うようになったあーちゃん。決して無意識ではなく、買うときは意志があるけど、ただ忘れてしまうだけ……だと思っているのですが。忘れてしまうのは仕方がないにせよ、せめて買う瞬間に自制してくれれば……という思いを込めて、あーちゃんの財布には「お菓子を買わない!」というメモを見えるように入れています。一体どうしてあげればいいのか、理解したいのにわからないことが多すぎて、本当にもどかしいのです……。
認知症が進行していても、あーちゃんは決まった場所であればひとりで移動できています。娘の家までの道順はわからなくなっていても、週に一度のダンスのレッスンには、2回の乗り換えも難なくこなして通っています。これって、冷静に考えるとすごいことなのかも……!
昔から方向音痴だったあーちゃんは、自分でもそれを自覚しています。さらに怖がりで依存心も強い性格。それゆえ、目的地がわからないと、自分で探そうとせずにすぐ周りの人に聞くのがお決まりです。お店が目の前にあっても、人に聞いてしまうなんてこともありました。ちょっと周りを見ればわかるのに! と昔はよくイライラしていましたが、今となればその性格のおかげで迷子になっていないのだと思います。ただ、いつ自分のいる場所や帰り方がわからなくなってしまうのかと思うと不安です。目の届かないところに行かないでほしい……なんて、親への心配というより、子どもへの心配のようになってきています。
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お出掛けや友人とのおしゃべりを楽しんでほしいと思う半面、周りに迷惑をかけてほしくないし、怖い思いもしてほしくない……。たしかに、どんどん成長して行動範囲が広がっていく子どもを見守る、親の感情に近いものがあります。介護をするということは、こういったもどかしさをどうやって消化していくかも、常に考えなくてはいけない難しさがありますね。
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