記憶が混同しているのか、あーちゃんはついに訳がわからないことを言い始めました。
よくわからないので、状況を整理してみました。
さすがに、新しくなったことくらいは覚えていて……。
何を言っても、すごい剣幕で抵抗するあーちゃんをなだめながら、なんとかウィッグのお店に到着しました。前にウィッグを作ったときのデータが残っていたおかげか、店員さんが持ってきたウィッグがあーちゃんの好みにピッタリ! 早速着けてみると……あーちゃんも自分の姿にうっとりしていて、久しぶりに穏やかな表情になっていました。
そのまま、試着したウィッグをあーちゃん用にカスタマイズしてもらい、無事にウィッグ姿が復活! あーちゃんの顔つきもやわらかくなっていて、ウィッグがどれだけ大事なものかがよくわかりました。ちなみに、ずっとどこを探してもないと言っていたウィッグですが、シャンプーをしてベランダに干していたらなくなっていたらしく、飛ばされたようです。どうりで部屋を探しても見つからないはずです。
しかし、このウィッグはお値段16万円……。あーちゃんは、ウィッグを新調すると父にお金があると思われることを心配していたので、メンテナンスに出していたのが戻ったと言えばいいと入れ知恵したのですが……最終的には「このウィッグ、新しいの!?」なんて言う始末。本人に買った記憶がなければ、父も突っ込みようがないと思うので、心配する必要はなさそうです。
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ウィッグを着けたら表情が変わったというのは、オシャレが大好きなあーちゃんらしいですね。決して安くはないお買い物ですが、あーちゃんの心が満たされたのなら、お値段以上だったのではないでしょうか。
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