姉と話し合い、施設はあくまでも最終手段だと考えていた私の思考は停止……。
たしかに、先生の言うことは納得できるのですが……。
待ちに待った認知症の病院での診察。先生は、あーちゃんの顔をのぞき込みながらゆっくり話してくれました。あーちゃんも、少し不安そうな様子がありながらも、ちゃんと自分の言葉で話しています。そして私たちも助け船を出して、娘たちが通帳を持っていることを知っているのに、父が通帳を再発行した話を聞いてもらい、そのせいもあって絶不調が続いていると訴えました。
先生は、認知症には精神的な不安が一番良くないので、お薬を調整してくれると言ってくれたのですが、診察を終えた後に一番近くにいた私を呼び寄せ、険しい顔で「とても良くない状況ですね。お父さんとはなさないと!」と言いました。私が、間もなく父と話す予定だと言うと「その『はなす』ではなく、物理的に!」と。思いがけないことを言われ、私の脳は言葉の意味を理解するまで、時間がかかってしまって……。
先生いわく、父が今の状態を知って通帳の再発行をしているのはかなり悪質。環境を変えるリスクはあるけれど、物理的に離して精神的に安定させたほうがいいとのこと。つまり、施設に入れてはどうかということです。私たち姉妹の考えでは、施設はあくまでも最終手段のつもりでした。予想もしていなかった展開に、何をすべきか何ができるのか……いろいろな考えが頭を巡っていたのです。
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絶不調が続いているあーちゃんを見て、先生はその原因が同居する父だと考えたようですね。ただ、ワフウフさんにとっては、施設というのを考えていなかったタイミングでの提案で、少なからず動揺したと思います。介護は目の前の問題と向き合うことだけではなく、あらゆる状況に備えて複数の選択肢を考えておくのも重要な課題と言えそうです。
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