そのとき、あーちゃんが書いたとみられる「ダンスをやめることを先生に言ってもらう」というメモを発見。
こういうちゃっかりしているところは、認知症になる前と変わっていません。
ウィッグを着けなくなったあーちゃんは、小さく痩せているおばあちゃんにしか見えなくなっていて、なんだか切なくなります……。
枕元に置いてあるという薬を探すため、あーちゃんの部屋に移動していると、当たり前のようについてくる父。認知症になる前は、部屋に鍵まで付けて父を入れないようにしていたのに、今では当たり前のように部屋の物を物色しています。でも、今はそんな父に構っている暇はありません。あーちゃんの薬を探さないと……! 枕元には薬はありませんでしたが、しばらく周辺を探すと、ベッドの引き出しから薬が出てきました。それも大量に……。
薬に書いてある日付を確認すると、ほぼ1カ月飲めていないことがわかり、それは状態が良くならないはずだと納得です……。こうして私たち姉妹がいろいろと確認しているときも、父は何もしないのに背後から様子を確認しています。おそらく、私たちが通常を見つけ出すのを見逃さないためだろうと思います。その後、2時間ほど大捜索をしましたが、ウィッグも探していた通帳も結局見つからず、諦めて帰ることに。
ちなみに、買ってから1週間ほどでなくしてしまったウィッグのお値段は16万円。1日あたり2万2857円の使用料となります。……お高い! さすがに頻繁に変える金額ではないので、我慢してもらうしかありませんが、不思議なことにあーちゃんからも特に欲しいとは言われません。あれだけこだわっていたのに……。その代わり、ウィッグがないからダンスにはもう行かないと言いだしました。意志は固かったので、本当は続けてほしかったけれど、受け入れるしかありません。自分では言いにくいと言うので、姉が先生に連絡して、あーちゃんのダンス人生はついに終わりを迎えました。
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ダンスをやめる理由が、通い方がわからなくなってしまったからではなく、ウィッグが見つからないからというのが、オシャレを楽しんでいたあーちゃんらしいなと思ってしまいました。定期的な予定が減ったことがどう影響するのかは未知数ですが、少しでも穏やかに過ごせる日が増えるといいですね。
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