
看護師さんも、熱心にメモを取りながら先生の話を聞く父を見て、すっかりだまされたらしく、こんなことを言われてしまいました。

しっかり否定はしておきましたが、信じてもらえたかどうか……。

今が江戸時代なら、きっと父はこんなふうに額に刺青をされて、島流しにされていたでしょう……。
診察を終えて診察室を出ると、父が「さっきの話の続きをしよう」と言いだしました。あーちゃんが「私は娘たちに預けているの!」と言ってくれたため、私たちはもうこれ以上話すことはないだろうと思っていたのですが……。父がしつこく「本当にいいのか?」とあーちゃんに聞いても、あーちゃんは「娘に任せている」と答えてくれて、ひと安心。どうしてもあーちゃんのお金を手に入れたい父は、怒りに震えていました……。
あーちゃんと私たち姉妹は、これまで嫌というほど父の嫌な面を見てきているわけですが、おそらく初対面の人には父の本性は伝わらないでしょう。なぜなら、父は細くて小さく、語り口調も穏やか。認知症の妻を騙して預金通帳を取り上げようとする人には見えないのです。これは父の武器だと思っていて、実際にいつもいろいろと気にかけてくれる看護師さんにも「お父さんとちゃんと話し合ってみたら?」なんて言われてしまいました。
看護師さんからすると、熱心にメモを取りながら先生の話を聞く父の姿を見て、それほど悪人には見えなかったのでしょう……。でも、何度も話し合った結果が今の状態で、そもそも話し合いでどうにかなるような相手じゃないのです。まあ、看護師さんにはわからなくても仕方ないですけどね。
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あーちゃんがしっかりと「娘たちに任せている」と言ってくれたことで、話は済んだかと思いましたが……。そんなに甘くはなかったですね。そして、やはり見た目の印象は大きいので、今後も父の人柄を周囲の人に理解してもらえず、もどかしい思いをすることがありそうです……。
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