
真実を伝えても……。

認知症だから仕方ないとはいえ、こういうことがあると本当に報われないなとガッカリしてしまいます。
あーちゃんの引っ越しを無事に終えて一気に疲れが出てしまったのか、姉が発熱でダウン。私は、ひとりであーちゃんの様子を見に施設へ行くことになりました。14時過ぎに到着すると、「昼寝をしていた」と言いながら、ノーウィッグのあーちゃんが出迎えてくれたのですが、そこで「やっぱりここは寂しい」とポツリ……。慣れない場所で、大人数の中に親しい人が一人もいない環境は、やはり心細いようです。
この日は、あーちゃんに新しい携帯の使い方を詳しく教えたのですが、なかなかうまくいかず……。とりあえず、熱でダウンしている姉に、体調を気づかうメールを送ってみようということになりました。いざメールを作り終えて送信……というタイミングで、文面を見直したあーちゃんが、姉が発熱していることに驚いていました。何度伝えても、姉が発熱していることを覚えられない様子でした。
姉は本調子ではないにもかかわらず、あーちゃんの様子を見に来てくれて、散歩にも連れ出してくれたのですが、私と一緒に外に出たところ、あーちゃんは「外に出るの、久しぶりだわ~」と発言。姉が来たことは覚えていないようでした。認知症の人を責めても仕方ないけれど、こういうときは本当に報われないと思ってしまいます……。
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気をつかい続けている状況は、想像しているよりも体に負担をかけていたのかもしれませんね。その状態であれこれ動いていたのに、あーちゃんが何も覚えていないというのは悲しくなってしまうのも無理はありません。誰が悪いわけではない分、どこに怒りや悲しみといった感情をぶつけていいかわからないのも、つらいですね。
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