「もうやめて…」便を塗りたくる父に絶句。寝たきり介護で直面した壮絶すぎる日常【体験談】

「もうやめて…」便を塗りたくる父に絶句。寝たきり介護で直面した壮絶すぎる日常【体験談】
「もうやめて…」便を塗りたくる父に絶句。寝たきり介護で直面した壮絶すぎる日常【体験談】

私の父はもともと膝が悪かったため、寝たきり状態になる前から随時介助をしていました。しかし、骨折をきっかけに寝たきり状態になってしまい、完全在宅介護をすることになりました。その父の介護の体験談について紹介します。

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カーテンが真っ黒に!?

父はもともとボクシングをしていて、体格が良く、体重も常に80kg以上ありました。そんな父が膝を悪くして、ひとりで立ち上がるのも難しく、病院に行くことも介助なしではできなくなりました。肩を貸してあげながら車まで移動して、病院に着いたら車椅子で先生のところへ運ぶだけだったので、そこまで大した労力ではなかったのですが……。ある日、父がベッドから落ちて、股関節まわりの大腿骨転子部骨折(だいたいこつてんしぶこっせつ)を経た後は完全な寝たきりになってしまいました。

寝たきり状態になってからは、完全在宅介護体制で面倒を見ていました。病院にも行くことはなく、医師に直接家に来てもらうようになりました。しかし、毎日何もすることなく寝ている状態で過ごしているうちに、父の認知症がどんどん進行してしまい、あるとき父のベッドのそばにあるカーテンを見たら真っ黒になっていたのです。

何かと思って見てみると、それは父の便でした。父は介護用おむつに手を突っ込んで、自分の便をカーテンに塗りたくっていたのです。私はカーテンを急いで洗って「もう二度としないでくれ」と言いましたが、それでも父のその行動は止まることはありませんでした。

初めて声を荒げてしまい

何度も同じことをやるので、父に向って初めて声を荒げてしまいました。すると、父はしょんぼりとした様子になり、何も言い返しませんでした。少し怒り過ぎたかなと反省しましたが、それ以降、カーテンに便を付けることはなくなり、私はほっと安心しました。

しかし、声を荒げた日から2週間が過ぎたころに悲劇が起こりました。いつものように朝起きて仕事の準備を終えて父のいる居間に入りました。父も珍しく「おはよう」とあいさつしてくれて、今日は良い日になりそうだと思いながら朝食を作りました。

あたり一面に異物が…

いつもの朝食ができ上がり、早速父のベッドに持っていこうと、ベッドまであと1mというところで、私は何か柔らかいものを踏んで滑って転んでしまったのです。

お膳に乗せた味噌汁、ご飯、鮭、サラダが見事に空中を舞いました。私は腰を強く打ちましたが、床に飛び散ったおかずを片付けようと周囲のものをつかんでいると、変な感触があったのです。温かくて柔らかい感触で、「こんなもの作ったかな?」と見てみると、それは父の便でした。父はあたり一面に便をまき散らしてしまっていたのです。

まとめ

おむつに手を突っ込まないように、専用の介護服を購入してからは二度とそんなことはなくなりましたが、できればもっと早く対策をするべきだったと今でも後悔しています。認知症が進むと、いくら言葉で伝えても相手を説得することがなかなか難しいです。やめてほしい行動があれば、どうすればその行動自体ができなくなるかという視点で、医師やケアマネジャーにアドバイスをもらうことも大切だと感じました。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。

著者:上田瀬奈/40代女性・主婦

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

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