入居した施設で体をよく動かすようになったことにより、おばあさまの認知症状が軽減されたと神奈川県在住のR.J.さんは話してくれました。
施設への家族の協力は入居者の満足感につながっていく
【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>特別養護老人ホーム(特養)
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護5
<入居期間>1994年4月から1999年2月
<居住地域>神奈川県
<話を聞いたかた>孫
入居者との関係
同居していた祖母です。
医療的ケア・疾患、症状など
認知症がひどく、親族の顔もわからない状態でした。
入居を決めた時期と理由
祖母はケガをきっかけに入院し、その後老人専門病院に転院、長くお世話になっていたのですが、おそらく診療報酬などの点数の関係で、その病院を出なくてはならなくなりました。
認知症がひどく、ケガの影響で歩くこともできない祖母を自宅で介護するのは難しいと判断して、他の病院を含めて転院先を探していたのですが、ちょうどいいタイミングで希望にかなう特別養護老人ホームが見つかり、入居することになりました。
施設の探し方
ケガをきっかけに病院に入院、さらに老齢者を専門的に扱う病院に入院する段階で、特別養護老人ホームの入居を申し込み順番待ちをしていました。
当時は役所を通じて申し込み、順番待ちをするシステムでした。病院での入院が長くなったことから、すでに順番としてはトップでしたが、以前紹介された施設は、私たち親族が訪ねるには遠かったので断りました。
その後、親族が訪ねて行きやすい場所にある施設を紹介してもらえたので、そこに入居することに決めました。
入居の手続き、ステップ
自宅での介護が難しくなった段階で、老人ホームなど施設の入居待ちを役所に申しこみました。その後病院を退院しなければならなくなった為、役所に相談し、希望に合わせた施設を紹介してもらいました。
その後、実際に施設を見学、入居する部屋の状況や働くスタッフの様子を見たり、施設の方針などを聞いたり、納得できたので入居を決めました。
入居して良かったこと
よく体を動かすよう配慮してくれた点です。
食事やおやつの時間は、歩ける人や車いすに座れる人はすべて、食堂などに連れて行ってくれるので、1日のうちに必ず体を動かす時間がありました。
施設に入居した当時は寝たきりで、車いすに乗ることもかなり厳しかったと思いますが、体を動かすことで認知症も軽減されたように感じています。親族が訪問すると必ず職員のかたが声をかけてくれるのも安心できました。
入居して大変だったこと
特にありません。こちらの対応で、かえって職員のかたにご迷惑をおかけする場合があって恐縮したほどです。認知症が軽減したことで、帰るときに「あとで来るね」という言葉をよく覚えていて、「親族が来ない」と騒いだこともあったようです。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設の質が問題にされることもありますが、真摯に取り組んでくださっている施設もたくさんあります。インターネットや見学のときなどに、施設の運営方針などは、実際に自分の目で確かめてみるとよいでしょう。
良い施設に入ると認知症などの症状にも良い変化が現れることもありますから、施設のかたとのコミュニケーションをしっかりとり、現状を把握することも大切だと感じました。
また、施設のかたが気持ちよく働けるよう家族が協力することは、ひいては入居者の満足感にもつながっていくと思います。