施設に入居させていいのかという迷いはあったけれど、施設でおばあさまが楽しんでいる様子を見ると本当に入居させて良かったと思うと、岐阜県のH.Mさんは顔をほころばせます。
人の手を借りることで介護する側、される側、お互いが快適に過ごせるように
【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>住宅型有料老人ホーム
<入居年齢>80代
<介護度>要介護2
<入居期間>2020年1月~現在
<居住地域>岐阜県
<話を聞いたかた>孫
入居者との関係
同じ市内に住んでいた父方の祖母です。
医療的ケア・疾患、症状など
初期の認知症です。私が誰かという認識はできますが、被害妄想などの症状が出始めています。
入居を決めた時期と理由
高齢の祖父母が2人で暮らしていましたが、祖母の認知症が進み、祖父だけでは面倒が見られなくなったため、入居を決めました。ある日祖母が夜中にトイレに行こうとして転んでしまい、起き上がることもできず、朝まで床に座った状態でいたそうです。私も父も祖父母の家からは10分程度の場所に住んでいますが、朝になってから祖父から電話があり、様子を見に行きました。
今後もこのようなことがあったときに、祖父だけでは対処が難しく祖母の命が危険にさらされてしまうかもしれないと判断し、入居を決めました。
施設の探し方
最初は空きがあった施設へ入居。介護も手厚く施設もきれいであることから気に入ってはいたのですが、料金がとても高かったため、より安価で手厚いサービスが受けられる今の施設に移りました。
24時間体制での介護が必要だったので、その点を特に重視しました。祖父がとても心配していたので、比較的会いに行きやすい場所かつ雰囲気が良いという条件も合わせて探しました。
入居の手続き、ステップ
料金は高かったのですが、再び同じような状況が起こらないようできるだけ早く施設に入居することを優先させ、空きがあった施設に入居しました。
その後、安価で手厚いサービスが受けられる今の施設を見つけたのですが、人気があり、空きがなかったためしばらく待ちました。空きが出たという連絡が来た後は、手続きをしてすぐに入居という運びになりました。
入居して良かったこと
祖父がひとりで介護をするには不安でしたし、父にも私にも同居できない事情があったので、24時間体制で介護してもらえるようになって本当に良かったと感じています。
施設に入居させていいのかという気持ちがなかったといえば嘘になりますが、友達とおしゃべりしたり、折り紙などのレクリエーションに参加している様子を見ると、祖母自身も楽しんでくれているようでよかったと思います。
入居して大変だったこと
祖母が施設に入ったことで祖父が一人になってしまったことが不安な点です。
また、24時間体制で見てもらえるとはいえ、施設に入れっぱなしというのも嫌なので、施設と祖父の家の2カ所に行っています。祖父を施設に連れていくという仕事もできました。
もちろん費用がかかるというのも大変な点のひとつだと思います。
入居を検討しているかたへのアドバイス
施設に入れてもいいものか長年悩んできましたが、今まで大変だった祖父の生活も楽になったこと、祖母も24時間体制で介護してもらえるようになったことを考えると、家族全員にメリットがあったと思っています。
罪悪感があるというかたもいらっしゃるとは思いますが、無理して自分たちだけで介護をしようとせず、人の手を借りることでお互いが快適に過ごせるようにすることも、介護される側の方の為になると思います。
ぜひ一度見学や体験入居などをしてみると良いと思います。