
散歩中に通りがかった八百屋さんで、焼き芋が売られているのを見つけてしまい、すっかり心奪われてしまいました。

そこで、今の状態では焼き芋は食べられないと言うと……。

今日だけで何度目? と言いたくなってしまう、この反応です。せっかくインプットしたことが、焼き芋の出現により、一瞬で消え去ってしまいました。
あーちゃんの様子を見に施設に行くと「お財布に260円しか入ってないの!」と言い、棚に置いてあった現金がなくなっていると訴えてきました。しかし、自動販売機で甘ったるいミルクコーヒーを買わないよう、260円しかお財布には入れていないので、その状態で合っています。理由とともにそれを説明すると……。
「えぇっ? 私、血糖値上がっちゃったの!?」と初めて聞くかのように驚くあーちゃん。そして、納得したかと思いきや……。「だけど、おかしいのよ! お財布に260円しか入ってないのよねぇ……」とまた始まりました。そこで、もう一度最初から説明すると……「えぇっ? 私、血糖値上がっちゃったの!?」と、まったく同じ反応。歩きながら、ひたすらこのやりとりが繰り返され、地味につらいです。
それでも、10回以上繰り返したあたりで、ようやく「自分の血糖値が過去最高に悪化している」ということがインプットされたようで、会話も成立していたのですが……。散歩の途中で通りかかった八百屋で焼き芋が売られているのを見つけ、心奪われてしまったあーちゃん。焼き芋を眺めている間に今までの会話の内容がすべて消えてしまったらしく、血糖値が上がったのに焼き芋なんて食べられないと言うと「えぇっ? 私、血糖値上がっちゃったの!?」とひと言。恐るべし焼き芋のインパクト……。
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会話はできるのに、何度言っても話が通じないというのは、もどかしいですね。子どもに言い聞かせるのと違って、繰り返していくだけ理解が深まるわけではないので、今回のようにすべてが一瞬でリセットされたときのショックは大きそうです。こういったプチストレスをどう解消していくかも、介護を続ける中で重要なポイントだといえそうです。
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