
今、施設長から言われたばかりだけど……。

なんと、あーちゃんは、たった今目の前で私と施設長が話していたことを忘れていたようでした。

会話を終えて、30秒もたっていないのに……。過去一の速さに、ただただ驚くばかりです。
自分では、口紅を塗る以外のメイクはほとんどしなくなったあーちゃん。そこで、姉・なーにゃんが出かける前に眉毛を描いてあげたのですが……。なーにゃんが描いた太めの眉毛が気に入らないあーちゃんは、消したいと大騒ぎ。自前の眉毛がほとんどないため、描かないと眉毛なしの状態になりますが、太い眉よりは眉毛がないほうがいいみたいです。
また、別の日には「地味だけどステキね」と言いながら、あーちゃんがヒョウ柄のスカートを手に取っていました。ヒョウ柄は地味ではないだろうと私が言うと、どうやら「ヒョウ柄」という柄の名前を忘れてしまった様子。記憶はどんどんなくなっていくのに、眉毛といいアニマル柄といい、認知症になる前からの好みが変わらないのはなんだか不思議です。
さらに別の日。私があーちゃんの部屋にいるときに、ちょうど施設長さんが部屋にやってきて「洗濯ネットをもう1つ持ってきてもらえますか?」と言いました。「わかりました」と言ってドアを閉め、あーちゃんに「じゃあ、今日は洗濯ネットを買いに商店街に行こう」と言うと、「持ってるからいらないわよ」とあーちゃんは涼しい顔で答えました。施設長さんとの会話が終わってから、30秒もたっていないのですが……。過去一の速さで記憶がなくなっていて、ビックリしてしまいました。
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記憶がなくなっていても好みが変わらないのは、オシャレが大好きだったあーちゃんらしいと思いました。認知症が進行していても、こうやってあーちゃんらしさが垣間見える瞬間があるのは、うれしいですよね。でも、記憶力のほうはかなり落ちているようなので、施設での生活に影響がないか、少し心配です。
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