入居前の見学で、企業の理念やスタッフの定着率まで確認することが必要だと、愛知県在住のS.U.さんは話します。
見学することで働くスタッフの質やスタッフ同士の人間関係がわかる
【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<入居年齢>70代
<介護度>要介護2
<入居期間>2020年3月~
<居住地域>愛知県
<話を聞いたかた>長男
入居者との関係
実母です。
医療的ケア・疾患、症状など
脳の血管がつまり、開頭手術はしなかったもののステロイド投与したのちに右半身不随に。リハビリをしても症状の改善が見られず現在に至っています。
入居を決めた時期と理由
母の介護は、今に始まったことではないので、できることなら自宅で介護をしたかったのですが、年々筋力の低下が著しくなり、介護度が高くなってしまいました。
基本的には、母の介護は健康な父が行なっていましたが、男性である父親では細かい点まで行き届かず、妻のフォローの上に介護が成立していました。
日中の介護も必要になってきたこともあり、妻の負担も減らすため、母とも話し合い、施設への入居を決めました。
元々入居した施設の場所にあったスーパーマーケットをよく利用しており、母には懐かしい思いがあったようです。
施設の探し方
できれば、料金の安い特別養護老人ホームなどへの入所を希望していたですが、介護2では入所できなかったため、介護の質だけでなく食事やレクリエーションの質が高いなど、母の希望を主体に施設を選びました。
母は、特別な医療行為が必要なわけではありませんが、24時間介護可能かつ複数のスタッフが常勤していることに加えて、自宅もしくは妹の嫁家所有の賃貸物件から徒歩圏内の施設を選びました。
また、無名の施設よりも大手企業が運営している施設や運営実績のある施設であることも重要視しました。
入居の手続き、ステップ
最初には、インターネットで候補の施設をピックアップし、公式サイトの閲覧や口コミサイトでの比較を行ないました。
その後、気になった施設に電話で問い合わせて対応の良かった3施設から詳しい資料を取り寄せて精査後、実際に施設を見学しました。
パンフレットのイメージとは異なっていましたが、見学することでスタッフの質やスタッフ間の人間関係の良し悪しまで確認できます。
入居一時金と健康診断書などの必要書類を整えて、施設長との面談を経て契約しました。
入居して良かったこと
入居までは、父とふたりだけの生活でしたから、他の人と話をする機会はほとんどありませんでした。
入居後は毎日のように多くの人と接することができて表情が明るくなったように感じます。また、食事面でも多くの人と食べることは精神的にも良く、バランスのとれた栄養満点の食事は、1番入所させて良かった点だと思えます。
自宅にいたときは食が細くて困っていましたが、最近は結構食べているようなので安心しています。
入居して大変だったこと
入居することによる費用の負担が大きな心配事でしたが、毎月の料金は標準的ですし、妹の嫁家と折半できているため、大きな負担にはならず助かっています。
今の心配は、父が母の施設に頻繁に顔を出しグループケアなどの邪魔になってしまっていることです。
ひとり残された父の体力や脳の機能が低下するのではないかという別の心配も出てきました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
入所前に妹の嫁ぎ先の養父から、運営会社の企業理念によって施設運営の良し悪しが決まるとアドバイスを受けました。
3施設見学したなかで、院長や幹部が視察の名目で海外でゴルフを堪能していたり、新人が目立ったりする施設もありましたので、企業理念やスタッフの定着率などの現場以外にも目を向ける必要があると思います。
企業理念が良い企業の施設は、スタッフの教育だけでなくスタッフ自身の向上心に基づくスキルアップが行われ、必然的に介護の質が高くなると思います。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。