認知症が進み、家族の目を盗み外出すると家に帰って来られないことを繰り返すようになった要介護3のお母さま。介護する家族の健康のためにも、お母さまの安全のためにも、特別養護老人ホームへの入居を決めたとY.I.さんは話してくれました。
比較的費用の安い特養は常に満員。申し込みから1年でようやく入居できた
【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>特別養護老人ホーム(特養)
<入居年齢>70代
<介護度>要介護3
<入居期間>2018年1月〜2020年3月
<居住地域>愛知県
<話を聞いたかた>長女
入居者との関係
私の実の母です。
医療的ケア・疾患、症状など
認知症で、自宅から出かけてしまっては帰れなくなってしまうことを繰り返していました。
入居を決めた時期と理由
母は認知症で、自宅で介護をしていました。しかしどんどん認知症の症状は悪化し目を離すと、すぐに自宅を抜け出してしまいます。外に出かけてしまうと、家に帰れなくなり、迷子になってしまいます。
駅の線路の近くで警察に保護されたことをきっかけに、施設に入居させることを決めました。外に出てしまって、事故に遭っては大変だからです。
また家族だけでは、どうしても介護をするのに限界があると感じていました。
施設の探し方
施設への入居を決めましたが、特別養護老人ホームは入居者がいっぱいでなかなか入ることができないというイメージがありました。しかし値段が安いことを考えると、順番を待ってでも特別養護老人ホームへ入居させたいと、自宅から近い施設を探して申し込みすることに決めました。自宅から近い施設であれば、入居してからも頻繁に会いに行くことができるからです。
施設は、インターネットで検索、自宅から一番近い特別養護老人ホームを探しました。
入居の手続き、ステップ
母を入居させたいと考えた自宅から一番近くにある特別養護老人ホームがどのような施設か知りたくて、見学に出かけました。その後、必要な書類を揃え、申込書類を記入、申し込みました。
しかし施設は満員でしたので、しばらく待たなければなりませんでした。これは仕方のないことです。1年後に連絡が来て、ようやく施設に入ることができました。
入居して良かったこと
母は認知症なので、自宅の外に出てしまうと家に帰れなくなってしまいます。道路を歩いてしまったり、線路の近くで警察に保護されたりと大変でした。介護で疲れ切っていた家族も、母が施設に入居してからは休めるようになり、精神的に楽になったのが良い点です。
また施設に入居したことで、事故に遭う危険もなくなりました。食事も3食きちんと準備、食べさせてくれるので、本当にありがたいと思います。
入居して大変だったこと
入居させて大変だった点は、母が家に帰りたいと泣いていたことです。しばらくしたら慣れてくれましたが、初めのうちは母がかわいそうになってしまいました。
また施設には入居者がたくさんいますので、母だけを見てくれるわけではありません。そのため、自宅にいた頃のように自由に外に出かけることもなくなり、座っている時間が増え、あっという間に足腰が弱くなって、歩けなくなってしまい、車いすに乗るようになったこともあります。
入居を検討しているかたへのアドバイス
自宅で介護をするということは本当に大変です。目を離すことができないので、体力も気力も必要になります。またがんばって介護をしているうちに、精神的に追い詰められてしまうこともあります。
自宅で最期まで介護をしてあげたいと考えているかたも多いでしょうが、体を悪くしてしまってはなので、思い切って介護施設に世話になるという決断も必要かもしれません。特別養護老人ホームは定員がいっぱいの場合が殆ほとんどですので、早めに申し込みをしておくことをお勧めします。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
★特別養護老人ホーム(特養)について詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。