在宅介護に限界を感じたらすぐに専門家に相談することが大切【介護施設探しの体験談】

在宅介護に限界を感じたらすぐに専門家に相談することが大切【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

骨折などで入退院を繰り返し徐々に弱っていった要介護3のおじいさま。在宅介護の限界を感じ、ケアマネージャーに相談したことが特養への入居のきっかけとなったというM.A.さんのお話です。

在宅介護に限界を感じたらすぐに専門家に相談することが大切

【プロフィール】
<入居者>祖父
<施設種類>特別養護老人ホーム
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護3
<入居期間>2017年3月〜2019年11月
<居住地域>神奈川県
<話を聞いたかた>孫

入居者との関係

母方の祖父です。

医療的ケア・疾患、症状など

骨折などで入退院を繰り返し、徐々に弱っていき、在宅で介護をするのは限界になりました。

入居を決めた時期と理由

在宅介護が限界だと担当のケアマネジャーに相談したところ、時間はかかってもそろそろ入所を考えた方が良いのではと提案を受けたのがきっかけです。最初は抵抗がありましたが、サービスが充実していたり定期的に面会もできたりと知ったことが大きなきっかけになりました。

誰かの後押しがなければ限界だと思っていても在宅での介護は続いていたと思います。今思えば、思い切ってケアマネジャーなど専門家に積極的に相談してよかったと思います。

施設の探し方

ケアマネジャーに相談して、いくつかの施設をピックアップしてもらいました。

家から近くて、祖父が住み慣れた地域の施設であることが絶対条件でした。少しでも離れた土地だと不安に思いますし、できるだけ自宅に近い環境を選びました。いくつかの施設に直接足を運んで、雰囲気やスタッフの方々の対応、サービスの内容などをかなり細かくチェックしました。担当者の話も聞いて、安心して任せられる施設にしようと決めていました。

入居の手続き、ステップ

担当のケアマネジャーに手続きなどを教えてもらって申し込み、数カ月は待ちました。待っている間は在宅の介護と週何回かの介護サービスでしのぎました。
時どきデイサービスも利用して、なんとか介護をしていたのが現状です。

施設の入所希望者が多く、何番目になるのかはわかりませんでしたが、介護の状態や祖父の症状などから優先的に入れてもらったと聞いています。入居が決まってからは慌ただしく、荷物などをまとめてすぐに施設に向かいました。

入居して良かったこと

とにかく介護の負担が軽減したことです。精神的にも肉体的にも親族が限界だったので、救われました。

また祖父も環境が変わったことが刺激になったのか、認知症がほんの少しですが軽くなったのはうれしかったです。家にいたときには引きこもりがちでしたが、イベントや介護士さんとの交流で楽しく毎日を過ごしていたようです。
友達も多くできて、入居してよかったと本人も言っていました。
「寂しくない」「つらくない」とも言っていたので安心しました。

入居して大変だったこと

反対している親族を説得するのは、かなり大変でした。特に年配の男性陣には手こずりました。介護は家でするもの、女がするのものと考えていたからです。

また具合が悪いときに病院に付き添わなければならないことも大変でした。スケジュールを誰かが空けて、急な体調不良にもすぐに対応しなければならないことに苦労しました。

長時間仕事を休んだりと、周りとの連携が上手くいかなかったりが特に困ってしまいました。どうしても誰も行かれないときには、スタッフの方に任せることもありました。

入居を検討しているかたへのアドバイス

すぐに施設を決めるのではなく、何カ所か見学に行くことが大切です。施設によって雰囲気も違いますし、スタッフの対応や介護の方針もさまざまです。施設に入居する人の性格なども考慮して、慎重に決めることが大事だと思います。

また介護に限界を感じたらすぐに専門家に相談しましょう。迷っていたらどんどん入居が遅くなり、在宅介護をする期間も長くなってしまいます。早い決断と行動力が何よりも重要だと感じました。限界を感じる前に行動を起こしましょう。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★特別養護老人ホーム(特養)について詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

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