おばあさまの入居先は、認知症の患者を受け入れてくれること、そしてかかりつけの病院の近くという以外の細かい条件は付けなかったかにも関わらず、実際に入居するまで数年かかったとR.M.さんは話します。
空きが出て入居するまで数年。施設探しは早めのスタートをお勧め
【プロフィール】
＜入居者＞祖母
＜施設種類＞グループホーム
＜入居年齢＞80代以上
＜介護度＞要介護2
＜入居期間＞2017年3月〜入居中
＜居住地域＞広島県
＜話を聞いたかた＞孫
入居者との関係
父方の祖母です。
医療的ケア・疾患、症状など
認知症で判断能力の低下があるものの、食事をしたりテレビを見たりといったことは可能です。
2年前に直腸がんが見つかり、病院で摘出手術を受け、現在は人工肛門を装着しています。高齢（92歳）であることから体に負担がかかる抗癌剤治療をしない方針です。主治医からは、1年以内に癌が再発する可能性があると診断されています。
定期的に病院から主治医が施設を訪問、診察を受けていますが、若くてイケメンの先生であるという理由で本人は診察日を楽しみにしている様子です。
入居を決めた時期と理由
祖父が亡くなった後は一人で広島市内の戸建て住宅で暮らしていましたが、数年前から認知症の症状が悪化しました。自宅で介護するか施設に入居させるかを検討して、施設を探すことになりました。
本人はずっと仕事をしていたので毎月の年金額が多く（約30万円）、収入の範囲内で何とか民間の施設に入居することができました。
最初は施設に入居することを嫌がっていましたが、骨折の治療のために入院した際に認知症が悪化してからは、施設に入居することを嫌がらなくなりました。
施設の探し方
かかりつけの病院が近くにある市内かその周辺で、認知症の患者を受け入れてもらえる施設を探しました。
施設を選んだというよりも空きがある施設を探し出したという感じで、何とか入居できるところを見つけ出しました。
施設探しをスタートした数年前から実際に入居が決まるまでに長い時間がかかりました。部屋の条件や設備・立地などの細かい条件は一切指定せず、単に広島市内かその周辺地域で入居が可能な施設を探したという感じです。
入居の手続き、ステップ
空きのあるグループホームを探して、偶然見つかった施設に問い合わせ、息子である父が施設を訪問して下見をしました。
その後、施設の方が病院で本人と会って病気や生活状況を確認した後、診断書やその他の必要書類を揃えて提出しました。
面談や書類審査で入居が可能であるという判断が下されたので、入居契約を結び病院から退院するのを待つことになりました。病院から退院後は、自宅に戻らず入居先に向かい、そのまま施設内で生活しています。
入居して良かったこと
同じ施設内には他にも認知症の入居者の方がいるので騒がしいですが、本人は騒音が気にならない性格なので問題なく生活できています。
最初は嫌がっていましたが、すぐに施設を気に入って生活に慣れてくれたので良かったです。認知症がかなり進んでいるので同じことを何度も言ったり物をなくしたりなどもあるようですが、施設の方が辛抱強く接していただいているので本当に助かっています。
家族が介護をすることは不可能なので、グループホームに入居させて良かったです。
入居して大変だったこと
ひとり暮らしをしていた頃と比べると、グループホームに入居して特に大変に感じるような点はありませんでした。
入居することを本人が少し嫌がっていたので心配していましたが、病院から退院する際にタクシーを使って家に帰るような素振りでグループホームに連れていったところ、そのまま素直に入居することができました。
現在は数カ月に1度のペースで事務的な手続きをしたり実家から替えの服などを持って行ったりする必要がありますが、大変という訳ではありません。
入居を検討しているかたへのアドバイス
高齢者は生活が変化することを嫌がる方が多いかもしれませんが、それでも専門の介護施設を利用することを強くお勧めします。介護経験のない家族が世話をするよりも、専門的な知識をもつスタッフに介護してもらうほうが良いと感じています。認知症の患者でも、すぐに新たな環境に順応することができます。
最初は施設に入居することを嫌がっていた祖母ですが、入居後すぐに気に入って「家に帰りたい」などと言うことはありません。
介護施設の数が少ない地域もあるそうなので、生活が困難になることが予想される段階で、早めに施設を探すための行動を起こすことをお勧めします。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
★グループホームについて詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。
