母に恩返しのつもりで高額でも費用を捻出している【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

「施設へ入居する目的は、介護や医療支援ではなく、レクリエーションやアクティビティを通して人とコミュニケーションをとる機会などを増やしてもらうこと。それが実現できる施設は高額だが恩返しのつもりで費用を捻出している」とS.A.さんは話します。

母に恩返しのつもりで高額でも費用を捻出している

【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>住宅型有料老人ホーム
<入居年齢>70代
<介護度>自立
<入居期間>2016年4月~
<居住地域>東京都
<話を聞いたかた>長男

入居者との関係

実の母です。

医療的ケア・疾患、症状など

パニック障害を患っています。

入居を決めた時期と理由

私には家庭があるため、なかなか母の様子を見に行くことができなくなりました。母はひとりでも暮らしていける健康状態でしたので、様子を見に行けなくても大きな影響が出ることはありませんでした。

しかし、一日中ひとりで過ごし、他人と会話をすることがない状況でいると、「精神的にも良くないのでは?」と考え、住宅型有料老人ホームへの入居を決めました。

施設の探し方

母はひとりでも生活を送れる状態でしたので、介護や医療支援目的ではなく、他人とコミュニケーションのとれるレクリエーションやアクティビティが盛んな老人ホームを探しました。

施設を探す際は、全国のさまざまな高齢者向けの施設や住宅が掲載されているサイトや友人からの情報を参考にしました。

入居の手続き、ステップ

まず入居希望の施設のホームページから資料請求と内覧の申し込みをしました。

内覧には母と私の二人で出かけ、入居する部屋を見学したり、提供しているサービスなどの内容の説明を受けました。母も気に入ったようで、その場で仮申し込みをしました。

仮申し込み後、申込金の振り込みと必要書類を提出し入居審査を待ちました。2週間後に結果通知書が届き、入居金を振り込み、入居となりました。

入居して良かったこと

1カ月に1度ほど母のもとへ面会に行っていますが、ひとりで住んでいたときより明るい雰囲気で過ごしている様子を見ることができています。

施設内にはさまざまなアクティビティをおこなえるスペースがあり、毎日いろいろなことをして楽しんでいるようです。同じ施設で暮らす人やスタッフの方とも良好な関係のようで、70代とは思えないほど元気に話している姿も見られました。

私たち家族も、母に対する心配や不安を抱えることがなくなり、すっきりとした気持ちです。

入居して大変だったこと

母が入居している施設にはさまざまなサービスや施設が揃っています。ある程度は覚悟していましたが、コストはかなり高いです。しかし、数十年間私の面倒を見てくれた母ですから、恩返しをするつもりで、何とか費用を捻出しています。

また、子どもたちを面会に連れていくと、テーマパークにでも来たかのようなテンションになり、家に連れて帰るのがとても大変なときがあります。それ以外には不満はありません。

入居を検討しているかたへのアドバイス

高齢化社会が進み、人口に占める高齢者の割合が大きくなってきた現代では、娯楽やアクティビティに力を入れた施設を始め、さまざまなタイプの高齢者向け施設が存在しています。

種類が多すぎて困惑することもあると思いますが、入居を考えているかたのニーズに合った施設をしっかりと選択することが大切です。そのためにも内覧・見学には必ず入居する本人と家族が一緒に行った方がいいと思います。

また、入居が長くなったときにコストを払い続けられるかどうかも、入居前にしっかりと考えておくことをお勧めします。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★有料老人ホームについて詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

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