おじいさまが入居するにあたって、家族で候補となる施設へ行き、入居者の生活の様子やスタッフとの関係性をある程度把握したというT.K.さん。なぜなら、入居後に問題が起こっても、一度支払ったお金は戻って来ないからと話します。
入居後に問題が起きてもお金は戻ってこないから見学時にはしっかりと様子を確認する
【体験者プロフィール】
＜入居者＞祖父
＜施設種類＞住宅型有料老人ホーム
＜居住地域＞静岡県
＜入居年齢＞80代以上
＜介護度＞要支援1
＜入居期間＞2019年2月〜
＜話を聞いたかた＞孫
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
母方の祖父です。
入居を決めた時期と理由
祖父はもともと足が悪く、祖母と母が介護を行っていましたが、祖母が転倒して足が不自由になってしまいました。
母一人でも祖父の介護は可能だったので施設へ入居することは考えていませんでしたが、本人が迷惑をかけたくないと言い出しました。家族は反対しましたが、祖父の意志が固かったので入居したという経緯です。
認知症やアルツハイマーなどの症状がないため、いつでも帰宅することが可能ということも本人の希望でした。頑固なので一度決めたらまず覆ることはありません。
施設の探し方
まずは老人ホーム周辺の環境や口コミ、運営会社の経営状態を確認、ある程度絞ったら、本人に選ばせて二箇所まで絞りました。
二軒の施設は見学が可能だったので、家族で施設へ行き、入居者がどのように生活しているか、スタッフとの関係性をできるかぎり把握しました。入居後に問題が起こってもお金は帰ってこないからです。
最終的にこの老人ホームに決めた理由は、ベランダがあることに加え、湖と山を望める景色が抜群だったことでした。
入居の手続き
見学した際に、ある程度施設が独自に定めている決まりや、お金や入居後によくあるトラブルを防止する内容を聞きました。
実際に入居が決まり、生活必需品や趣味嗜好の品などを買いそろえた後、契約しました。
この施設は認知症の症状があると入居できません。それを証明する診断書をもらうため主治医に受診しました。
契約書に本人の情報や連帯保証人などを記入したら入居することができます。
入居してから1週間以内に入居金と健康管理費を入金しました。
入居して良かったこと
自宅がある場所は大通りに近く、交通量が多いためそれなりに騒がしく、夜に起きてしまうことが何度かありました。また、近所には消防車や交番もあります。消防車やパトカーのサイレンは慣れているとはいえ、鳴ったら鳴ったでうるさいです。
しかし施設の周辺には大通りも消防署もありません。夜は窓を開ければ虫の音や波の音なども感じることができるらしく、本人はとても満足しているようでした。また、趣味に打ち込める環境のため以前より頭がはっきりしています。
入居して大変だったこと
一度、急病で病院に搬送されました。自宅なら家族が病院まで救急車に乗っていくことができますし、途中で容体が悪化してもそばにいることが可能です。
しかし、施設に入居していると、病院に搬送されるまで家族は何もできません。病院に着いてICUで個人情報が確認された後、自宅に連絡が入って初めて動くことができます。
また、自宅にいるより意思疎通ができないため、必要なものや買い出しなど二度手間になってしまいました。それ以外は特に大変と感じません。
入居を検討しているかたへのアドバイス
まずは見学や体験入居してみることです。我が家は2軒見て回りましたが、入居者同士のトラブルはほぼないと言われました。見学したどちらの施設でも環境によっては認知症になることがあると言われました。
見学だけでもいいですが、できれば体験入居をおすすめします。どんなに評判がいい施設でも、人間なので合う合わないが出てきてしまいます。体験入居では実際にスタッフと触れ合うこともできるので、心を許せるかどうかが見極められます。
＜参考＞入居時にかかった費用と月々かかる費用
祖父が入居したのは「住宅型有料老人ホーム」です。
入居時に「入居一時金」と「健康管理一時金」、プラス「月額利用料」を支払います。
＜目安＞編集部調べ
●入居時
■入居一時金（非課税）：1,080万円〜2,980万円（部屋タイプによる）
■健康管理一時金（税込）：718万円（一人）
●月額
■施設管理費：99,110円〜150,700円（一人、部屋タイプによる）
■食費：注文制のため、食数に応じた金額
●その他
医療費・介護保険等の自己負担分、電話料金、新聞代など個人にかかる費用は別途
