自立ではあったものの、親しくしていた友人の転居により近隣にサポートしてくれる人がいなくなってしまったS.K.さんのおじいさま。自立ではあるけれど、見守る人が必要ということで、自宅に近いサービス付き高齢者向け住宅に入居されました。
費用や立地、家族の考えも大切だけれど、一番重要なのは本人の気持ち
【体験者プロフィール】
<入居者>祖父
<施設種類>サービス付き高齢者向け住宅
<居住地域>山口県
<入居年齢>70代
<介護度>自立
<入居期間>2017年6月〜
<話を聞いたかた>孫
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
祖父です。
入居を決めた時期と理由
祖父は家族と離れて生活していることもあり、近所に住んでいる年下の友人とたまに帰省する子どもや孫と車で買い物に行くなどのサポートを受けながら生活をしていました。
しかし、友人がお子さんと同居、土地を離れることになったため、子どもや孫と暮らした方が良いのではないかと勧められたようです。しかし、地元を離れたくないという祖父の気持ちが強かったので、それならそろそろ老人ホームに入ることも考えたほうが良いとアドバイスをくれました。
祖父自身、子どもや孫が暮らす別の県に行くより地元に居続けたいと感じていたため、老人ホームを探すようになりました。
施設の探し方
主にインターネット検索で施設を探しました。
祖父はパソコンやスマートフォンを使えたので、年下の友人と一緒に施設を探し、気になった施設を孫や子どもに伝えました。
地域名や老人ホームというキーワードで検索を行ったり、老人ホームを紹介しているサイトを見たりして探したそうです。
インターネットだけでわからない部分は、実際にホームに問い合わせし、気になる部分を確認してからいくつかの候補を見学していました。
入居の手続き
まず、祖父が友人と話しながら老人ホームへの入居を決めました。
次に、その考えを子どもや孫に伝え、本人が施設を探し、気になる施設を子どもや孫に伝え、疑問点があったときは、子どもが施設に連絡して確認していました。そしてその回答を踏まえて、いくつかの気になった施設を見学しました。
その結果、対応や設備が気に入った老人ホームの空きが見つかったので、契約、入居の準備を整えました。
入居して良かったこと
自立ではあったものの、身近に祖父の様子を確認してくれる人がいなくなることはとても気がかりでした。しかし、老人ホームでは、安否確認が行われるのでその心配はなくなりました。
一緒に住みたいという気持ちはありましたが、祖父自身が子どもの頃から過ごしていた土地を離れたくないという気持ちを優先しつつ、かつ安全に生活できる方法を見つけることができたので良かったと感じてます。
また、入居者の友達ができて仲良くなれたようなので、その点についても良かったと思っています。
入居して大変だったこと
やはり、毎月の出費が大変です。
もちろん祖父自身のお金はありますが、それでは心もとないので仕送りの額を増やすことになりました。
また、同じ県内であるとはいえ、それまで祖父が住んでいた家よりも私たち孫や子どもが住んでいる地域から離れた場所の老人ホームに入居したため、会いに行くときに移動時間が長くなってしまうという大変さがありました。
また、これまでは祖父の家に泊まることができましたが、ホームには泊まることができないので、祖父に会いに行くときにはホテルを予約するなど少し不便さもあります。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設への入居は本人の気持ちが一番だと思います。
もちろん、金銭的な問題などどうしようもない部分はあるかもしれませんが、本人が最も生活しやすい場所であることを優先して決めることが大切だったと感じています。
料金だけで選んだり、身内が良いと感じた部分を無理に勧めたりでは、実際に住み始めてから窮屈な思いをさせる可能性も高くなります。
私の経験では、祖父が自分自身が選ぶことでいきいきと生活できていたので、現実的な問題(お金や会いやすさなど)だけではなく、入居する本人の気持ちを思いながら選ぶべきだと感じました。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
<目安>編集部調べ
●入居時
■敷金:約22万円(家賃の4.0カ月分)
●月額
■家賃概算額:約5万5,000円
■共益費概算額:約3,000円
その他、状況把握・生活相談、入浴等の介護、調理等の家事、食事の提供などのサービスを利用した場合は別途費用がかかります。