一人暮らしのおばあさまが前払金が1億円を超えるいわゆる高級老人ホームに入居されているM.K.さん。子どもである親世代が費用を捻出するのは大変そうだが、その背中を見て、親に対しても自分たちができる限りのことをしたいと話します。
入居金1億円超の高級老人ホームに入居する祖母を支える親。そのスタンスは子どもに引き継がれていく
【体験者プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<居住地域>東京都
<入居年齢>80代以上
<介護度>自立
<入居期間>2018年〜
<話を聞いたかた>孫
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
祖母です。
入居を決めた時期と理由
すでに祖父は亡くなっており祖母は一人暮らしの状態でした。
娘たちや孫たちが折に触れ訪れるとはいえ、だんだんと家事や家の階段の昇り降りもしんどくなったり、寂しさも積み重なっていたようです。
亡くなった祖父は晩年、認知症があり迷子になったところをパトカーで警察に送ってもらうなど徘徊で周囲がずいぶん苦労した経験があり、祖母も年相当の物忘れや身体、脳の衰えが気になってきたことも大きかったようです。
施設の探し方
入居にあたっては、主に親世代の親類が動いていたので細かいところはよくわかりませんが、たびたびインターネット検索を頼まれることがありました。
ホームページや口コミを見たり、疑問点があれば電話で問合せ解決をし、電話対応でホームの様子を知ったり、また実際に足を運んで見学もしていたそうです。
できるだけ数多くいろいろな候補をあげながら、食事や生活面全般なども考慮しつつ推敲を重ね、そのなかでより良いところを選んでいったようでした。
入居して良かったこと
やはり人の目があることは、皆、安心なようです。
一人暮らしの時は火事を起こすのではないかとか、物騒なのではと、セキュリティー面での不安もかなり大きかったようです。
老人の一人暮らしを狙った凶悪犯罪・殺人事件のニュースなどもありましたので、まずはそのリスクが軽減した点が良かったようです。
また体力の衰えから実は本人も年々家事や階段の昇り降りも負担になっていたそうで、かなり楽になったと言っていました。そんなうれしそうなところが良かったです。
入居して大変だったこと
正直、費用の面では大変そうな様子がうかがえました。
高級感あふれ日当たりもよく快適な設備で、食事などもホテルライクな感じで至れり尽せりですが、それなりの費用がかかっているようです。
ただ老い先短いのが実情であり、子どもたちとしてはできる限りのことをしてあげたいという一心のようです。
そういった親の背中、親孝行のスタンスは私たち世代、私の兄弟やいとこたちが見ており、自分たちも親の老後はできるだけのことして恩返ししようと思っています。
入居を検討しているかたへのアドバイス
まだ祖母の世代では、ずっとシングルで生きてきた人は少ないと思います。
つまり親族がいるケースが多いと思うので、まずは皆でよく話し合うことが大切だと思います。
またその下の世代つまり子どもたち世代は親の背中を見ているものです。先々は自分に返ってくるものと肝に銘じて誠実に向き合うことが重要だと思います。
金銭面でも無理をしてはいけませんが、できる範囲のことをしてあげることが自分自身も後悔せずに済むと思います。
話は祖母のことからずれてしまいますが、折しも夫方の祖母も施設に入っており、日当たりが悪く古ぼけた施設は決して立派なものとはいえませんでした。
職員の方々は温かく人当たりの良い感じではありましたが、常に忙しそうで手いっぱいの様子でした。かすかだった祖母の認知症も入居後みるみるうちにひどくなっていき、ある日、夫が見舞いの際「ついに自分のことも誰だかわからなくなってしまった」とショックを受けていました。反面教師にするべきだと感じていました。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用(編集部調べ)
<目安>
50.89㎡(15.39坪)、一人入居の場合
●入居時
■前払金(税込):11,910万円~14,010万円
(介護一時金、生活サービス一時金含む)
●月額 330,455円
■管理運営費ほか: 247,955円
■食費概算:82.500円