膝の具合が悪く家事や掃除がだんだんと難しくなってたK.T.さんのおかあさま。一人暮らしも寂しいと、老人ホームへの入居を決めました。入居金はかかりませんでしたが、毎月20万円の月額利用の支払いのため、持ち家を売却しての入居となりました。長生きしてほしいと思いながら、いつまで支払い続けられるか不安を感じていると話します。誰しもいつかは高齢となり老人ホームなど施設への入居が必要となる日がやって来ます。その日のためにも、親が元気なうちにしっかりと話し合っておくことが重要だとアドバイスしてくれました。
いつまで支払いが続くかわからない施設の生活。親が元気なうちにしっかり話し合っておくこと<介護付き有料老人ホーム>
【体験者プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<居住地域>兵庫県
<入居年齢>80代以上
<介護度>自立
<入居期間>2019年10月~
<話を聞いたかた>長女
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
母です。
入居を決めた時期と理由
5年前に父が亡くなり、「一人暮らしで寂しい」と私に訴えていました。
また、3年前から母の膝が悪くなり、生活するうえで立ったり座ったりするのが痛くて、食事の支度や掃除などが困難になっていました。
母から老人ホームに入りたいと相談してきたので、一緒に入居の検討を始めました。施設見学をした老人ホームの一つに入居を決めましたが、母も納得していましたし、私もここなら安心して母を預けられると思いました。
施設の探し方
娘である私の住まいから近い老人ホームが良いと思い、ネットでその地域の施設を探していきました。数カ所良いなと思う老人ホームがあったので、それらをピックアップし、施設に連絡を入れました。
3か所ほど見学に応じてもらえる施設があったので、母と一緒に見学に行かせていただきました。母が唯一気に入ったのが入居した老人ホームでした。
入居の手続き
母は父が遺した家に住んでいたので、入居するにあたり家を売却することに決めました。そうしないと、毎月20万円近くの利用料がねん出できなかったからです。
不動産屋さんが査定、仲介で売りに出してから売却までに3カ月かかりました。売却が決まってからは、家の家財道具や母の衣類、大量にあった骨董品の処分を買取業者に依頼するなど、家の片づけも非常に大変でした。
入居するまでに家を売却したり、片付けたりしなくてはならないので、ある程度の期間を確保しておくことも大事だと思いました。
入居して良かったこと
母はまとまったお金を貯金していなかったので、入居金(前払い金)が0円であったことは大変助かりました。
老人ホームの共用空間のリビングや食堂兼機能訓練室も明るく開放的で、広々とし母も快適に過ごすことができているようなので、本当に入居させて良かったと思っています。
食事も歯の悪い母に配慮してソフト食やきざみ食などを用意してくださっているので、栄養バランスも良く、その点も非常に良かったと思っています。
入居して大変だったこと
やはり毎月かかる費用の20万円前後のねん出が大変です。
母に長生きしてほしいのは当然のことですが、長生きすればするほどお金がかかり、いつまで入居させることができるか心配であるというのが本音です。
また母はさみしがり屋の性格であり、毎月2〜3回ほどは私が顔を出し様子を見に行かないと機嫌が悪くなって怒ることがあるのも大変な点です。
私も仕事をして子育てもしていることから、母の様子を何度も見に行かなければならないことは、負担になっています。
入居を検討しているかたへのアドバイス
これから有料老人ホームに入居されるかたに言っておきたいことは、両親が高齢になったときのことを想定し、ある程度の貯金をしておく必要があるということです。
有料老人ホームの入居のあたっては、何千万円の前払い金が必要になることもあります。両親二人ともが入居するとなると、高いところでは4,000万円程度のお金が必要になるのです。
両親にもある程度の貯えをしておいてもらったり、退職金には手を付けずにおいておいてもらえるよう、話し合いをもつことも必要だと思います。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
・入居金(前払金):0円
・月額利用料:税込 200,000円〜230,000円
(家賃相当額、管理費、食費)
※編集部調べ(令和3年10月時点、該当施設ホームページ参照)