今回は、独身の叔母さまが有料老人ホームに入居したケースです。
入居前に十分な支払額のシミュレーションをすることが重要
【体験者プロフィール】
<入居者> 叔母
<施設種類> 有料老人ホーム
<入居年齢> 75歳
<介護度> 要支援2
<入居期間> 7年
<現在> 逝去により退去
<話を聞いたかた> 姪
入居者との関係
叔母です。独身で一人暮らし。兄である父も年齢なりに弱ってきていたため、彼女が有料老人ホームに入居するにあたっては、すべてを姪である私が判断、手続きすることになりました。
入居を決めた時期と理由
叔母が75歳になってすぐです。前年から認知症状が進んでいたので、一人で暮らしは危ないと家族で話していました。そんなある日、スーパーマーケットで買い物中に転んで、大腿骨を骨折、入院。認知症も進んでいたので、「もうひとりで暮らすのは難しいよね」と叔母を説得、病院から直接有料老人ホームへ入居しました。
施設の探し方
叔母に認知症の症状が出たころから、なんとなく施設のHPを見たり、知り合いに話を聞いたりしていました。そのなかから、叔母が気に入りそうな有料老人ホームにあたりをつけ、入院中の叔母を連れて見学に行きました。ずっと一人暮らしだった叔母が新しい環境に慣れるか心配でしたが、ホーム長が病室に何度も足を運んで関係を作ってくれました。
入居の手続き
思っていた以上に大変でした。入居金としてまとまったお金が必要になったのですが、銀行も証券会社も叔母が一緒でないと手続きができませんから。家族みんなで手分けして、車椅子の叔母を連れてあちこちに手続きに出かけました。すでに、認知症が進み始めていて、持っていないお金を持っていると言い張ったり、どの印鑑を使っているかがわからなかったり、振り回せれることも多かったです。
入居して良かったこと
入居当時は、しょっちゅう「家に帰りたい」とか「もっと眺めのいい部屋に移りたい」とか電話して来ていましたから、本人が納得して入居したわけではないと思います。でも最期は、延命せず、施設の自室でスタッフの皆さんに囲まれて息を引き取りました。生涯独身で、友達も少ない叔母でしたが、スタッフに優しくしていただけて、幸せだったんじゃないかなと思っています。
入居して大変だったこと
企業が経営する施設なので、叔母が入居していた間にホーム長は3人変わるなど異動が多いので、そのたびに関係を築くのは大変でした。保証人になると、熱を出した、転んだなど、仕事中でも連絡が入ってくるので、ここは任せる、ここは相談してなど、関係性ができるまでは、かなりストレスを感じていました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
叔母は年金も収入もある程度あったので、お金の心配はないと思っていましたが、介護度が上がると、医療費などもどんどん増えてきて、このままだと支払えなくなるのではという不安も生まれてきました。子どもの学校と違って、何年利用することになるかはわからないので、お金に関しては入居前に十分なシミュレーションをしたほうがいいと思います。