限界を超えての介護は家族の生活の破綻につながる【介護施設探しの体験談】

限界を超えての介護は家族の生活の破綻につながる【介護施設探しの体験談】

脳梗塞から認知症となり、暴れるようになってしまった伯父さまが介護療養型医療施設(療養病床)を入居させたという広島県にお住いのK .N.さんのケースです。

限界を超えての介護は家族の生活の破綻につながる

【プロフィール】
<入居者>伯父
<施設種類>介護療養型医療施設(療養病床)
<入居年齢>70代
<介護度>自立
<入居期間>2017年7月〜2018年3月
<居住地域>広島県
<話を聞いたかた>甥

入居者との関係

母の兄です。

医療的ケア・疾患、症状など

脳梗塞を患って数年経ってから認知が始まりました。清浄が保てなくなったり、言っていることが支離滅裂だったり。話している相手をしばしば恫喝していました。

入居を決めた時期と理由

最初に言動がおかしいことに気がついたのはやはり家族です。話と話に関連性がなく、飛び飛びになるようになりました。突然怒り出すような情緒不安定もひどくなり、周りがみんな気づき始めます。家に行くと、強烈な匂いがして清潔を保てていないことにも気づきました。そこにいない人をいると言い張ったり、意味不明なことを言いながら怒り出したり、とにかく普通ではないことにショックを受けました。身体は元気だったため暴れると手がつけられず、しかるべき施設に預けようと親族で決めました。

施設の探し方

伯母の顔が広く、ケアーマネージャーなども知っていて、いろいろな人に相談をしたようです。地元では有名な病院があり、そこになんとか入れるように手を尽くしたと聞きました。まず診察をしてもらい、そこに何とか入院できるようにと考えていました。

入居の手続き・ステップ

入居させないことには家族を含め親族全員が困り果ててしまうため、根回しをしました。伝を頼ってのことだったのである程度話は聞いてもらえましたが、もし駄目だったらという不安もありました。私も一緒に行ったのですが、伯父がいつ暴発するかと気が気ではありませんでした。案の定、看護師さんや診てくれた先生にも当たり散らし、清浄も保てていないということでその場で入院が決まった次第です。男性のスタッフが5人がかりで周りを囲んで辺りに危害を加えないようにしてくれました。止むを得ず拘束する場合もあることに了承を求められました。

入居して良かったこと

家族の負担が軽くなったことが、1番良かったポイントです。自宅で世話をするには伯父が少し元気すぎたため、わずかな期間でも参ってしまっていました。つきっきりで24時間見ていなければならないことは、体力的にも精神的にも厳しいかったです。何とか本人をなだめすかして病院まで連れて行き入居の手はずとなりましたが、いつごねて暴れだすかとヒヤヒヤしたのを覚えています。ただ最終的には本人も暴れるのをやめておとなしくなったことは良かったと感じています。

入居して大変だったこと

会いに行っても会わせてもらえなかったりすることはやはり辛いです。その日の体調や機嫌の良し悪しで面会ができたりできなかったりします。話を聞くだけではなく、顔を見たいという気持ちもあるので、自分の目で状態が確認できなかったことは気持ちのうえで大変でした。
また、出費がかさむのも困った点です。ずっと入居している状態が続くので、毎日お金がかかります。親族みんなが望んだこととはいえ、やはりお金のことは重くのしかかりました。かといって在宅で見ることはできず、常にそのジレンマと戦っていました。

入居を検討しているかたへのアドバイス

在宅でみたいという気持ちは誰にでもあります。できる限りは尽くしたいと考えることももちろん理解できますが、そのために、家族や親族が消耗しては意味がありません。たとえ本人がそれを望んでいたとしても、限界を超えて介護することは、みる側が体調を崩して生活が破綻することだってありえます。入居を決めたとしても、デメリットの方が大きいと感じれば元に戻すことも可能です。選択肢や視野を広げても損はありません。あまり世間体や体裁にこだわらず、自分たちの幸せを追求する気持ちが大切だと思います。

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