私には60歳を過ぎた母がいます。母は、50代後半から度々尿漏れを起こすようになりました。あるとき、外出するため母が車に乗り込んだ瞬間、おなかに力が入って着衣を汚してしまい、出発が遅れてしまうことが何度か続きました。それからしばらくして、母は尿漏れパッドを付けるようになりました。「これでひと安心」と思っていたのですが……。
★関連記事:「30代で経験した親の介護」過酷な介護生活の中で見出した小さな幸せとは【体験談】
脱衣所から漂う悪臭
ある日、実家の脱衣所に行くと、ものすごいアンモニア臭がしました。最初は「父の脱いだ洗濯物が汗臭いのかな?」と思い、においの元をたどってみると、それは母のパジャマのズボンでした。しかも置いてあった場所が、これから洗濯するカゴの中ではなく、一時的に収納する用のカゴだったのです。
母はあまり嗅覚が良くなく、特に臭いものはあまり感じないようです。「母に伝えるべきか……でもどう伝えよう」と、しばらく考えてしまいました。
意を決して母に伝えることに
それと同時に、少しショックでもありました。「きっとこのままこのズボンを履いたら、一緒に暮らしている父は絶対に気が付くだろう……」。そう思うと、「母に恥ずかしい思いをさせるのは嫌だな……」と思い、意を決して母に伝えることにしました。
「あのズボンはこれから夜も履くやつ?」と私が聞くと、母は案の定「そうだよ」と答えました。母は「1回履いたものだけど、パジャマだからそんな汚れてないから」と続けます。
そこで私は、「あのズボンさ、尿が付いちゃっているんじゃないかな。なんかにおうなと思って」と母に言うと、「え! もしかしたら少し付いてたのかも……」と、母はすぐにズボンを洗いに行きました。
勇気がいることだけど言えてよかった
母に伝えるのは勇気がいりましたが、言えてよかったです。それ以外にも、トイレの便座が汚れていたり、尿漏れパッドがまとめて捨てられずにため込まれたりして、トイレがにおうこともあります。でもそこは目をつむって、掃除などはこっそり私がすることにしました。
まとめ
この出来事を機に、においを感じたときは素直に母に話すようにしました。母も改善策としてそれまで使っていた尿漏れパッドを見直し、なるべくパッドから漏れないタイプに変更したようです。徐々に感じ始めた親の老いですが、この先はもっと大変な介護が待っているかもしれません。これからもちゃんと向き合って行こうと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:丸井かな/30代女性・会社員
イラスト/マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)
★関連記事:「実の娘は介護を拒否!?」親でもなく義両親でもない初めての介護で学んだことは【体験談】