介護度が進み、自宅での介護が難しくなったおばあさまが、特別養護老人ホームに入居された神奈川県在住のR.S.さん。後悔が残らないようじっくり時間をかけて施設を探したそうです。
入居前に施設を訪問して、本当に任せられるのか、安心して預けることができるのかを見極めることがポイント
【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>特別養護老人ホーム
<入居年齢>80代
<介護度>要介護3
<入居期間>2018年1月頃から2019年11月
<居住地域>神奈川県
<話を聞いたかた>孫
入居者との関係
孫です。入居したのは母方の祖母に当たります。
医療的ケア・疾患、症状など
軽い認知症で人を判別することや記憶が曖昧になってしまいました。
体力はないので動き回ることは少なかったのですが、手助けがかなり必要な状態でした。
腹痛を訴えることも多く、強い痛み止めを服用していました。
入居を決めた時期と理由
皆で協力しながら在宅で介護していましたが、介護度が進み、家で面倒を見るのは難しいと感じるようになりました。 同居していた叔父や叔母も歳を重ね、老老介護に突入したことも大きなきっかけです。
骨折したり、デイサービスで意識を失ったりしたこともあって、施設に入所した方が良いという結論に至りました。
訪問介護で受けられるサービスも限られていましたし、自宅でお風呂に入るのも難しくなったのも入所のきっかけのひとつです。
施設の探し方
まず祖母を施設に入所させたいことをケアマネジャーに伝えて、入所可能な施設をいくつか紹介してもらいました。
その後、実際に見学に行ったり、資料を取り寄せたりして入居する場所をじっくり検討しました。
祖母の性格も考えて、気を使わずにひとりでも過ごせる施設を候補に、要介護度や費用も条件に合う、特養を中心に探しました。
また交通公共機関で行ける距離、親族が集まれる場所であることは絶対条件でした。
インターネットを駆使して探したこともあります。
優先順位に合わせて探すやり方です。
入居の手続き、ステップ
ケアマネジャーに入居が可能か、空き部屋があるかを確認しましたが、その時点では空きがなく、3カ月程度は待ちました。
入居が決まったときに、祖母に施設への入居、自宅を離れることを告げました。心のケアも必要だということでしたから、伝えるときにはケアマネジャーに同席してもらいました。
荷物はまとめて先に送り、当日は介護タクシーで施設に向かいました。
部屋にあらかじめ荷物を用意して、普段と同じような生活ができるようにセッティングしておいたのです。
入居して良かったこと
安心して預けられるのは、老人ホームならではだと思います。
専門家が常に見守ってくれるので、家族の負担はかなり軽減されました。
自宅だと夜に起きてくることもあって、介護する側が寝不足になることもありましたが、それが解消されたのは良かったです。
特養だと費用も抑えられるので、家族の負担もほとんどありませんでした。
近くの施設を選んだので気軽に行けて、祖母の顔を見にいけるのは嬉しかったです。スタッフも優しく、預けて良かったです。
入居して大変だったこと
寂しさや後悔、申し訳なさは常にありました。
認知症の祖母に、どこにいるのかわからなくなって「いつ家に帰れるの?」と聞かれるのはつらいものがありました。
忙しくても、誰かが顔を見せにいかなければならないという使命感みたいなものもあり、キツいと感じることもあります。
通院は家族が付き添う必要があり、また外に連れ出すときは、施設側の許可が必要になるので、その準備や手続きも大変でした。
入居を検討しているかたへのアドバイス
後悔がないようにじっくり時間をかけて施設を探すことが重要です。
納得しないまま、施設にお任せしてしまうと不安が残りますし、スタッフとの信頼関係を築くことも難しくなります。
入居前に、何度か施設を訪問して、本当に任せられるのか、安心して預けることができるのかを見極めることがポイントです。
ケアマネジャーにも相談して、施設の雰囲気やスタッフの対応も聞いておくと参考になります。
何かあったときのために、医療体制が整っていることも確認しておくと良いと思います。