
嫌な汗をかきながら、あーちゃんに現状をもう一度説明します。

すると、あーちゃんは驚いた表情を見せましたが……。

すぐに取りつくろうように笑っていました。……引っ越しのこと、よく理解できていなかったようです。
あーちゃんの荷物を運び込んだ私たちは、荷物をほどく前に近くの焼き肉屋さんでランチをしました。あーちゃんは「私のことで迷惑かけちゃうわねぇ」と申し訳なさそうにしていて、あーちゃんなりに一生懸命気をつかっているのか、しきりに自分の頼んだ料理を皆におすすめしていました。
その後は、施設で必要になりそうなものを買い出し、家から持ってきたものに名前を書きながら荷物の片付け。施設では、部屋から出るときにポシェットを使っている利用者さんの姿を見ていたので、あーちゃんも家からポシェットを持ってきていました。部屋から出るときは、貴重品を入れて使うように言ったところ「わかったわ!」と言い、そのまま持ってきた自分のバッグにIN。「しまっておかないと、帰るときに忘れちゃうわ」とのことで、私たち姉妹は一瞬言葉を失います。
あーちゃん、もう家には帰らないというのが理解できていなかったようで、今日が引っ越しの日だからもう帰らないと再度説明すると「私、今日からここに住むの!?」と驚いた顔をしましたが、すぐに「そうねそうね、今日引っ越しよね」と取りつくろうように笑って言いました。私と姉が帰るとき、自分も帰ると言いだしたらどうしよう……。
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理解できていないなりに、皆が自分のために動いてくれていることを感じて気をつかう姿に、あーちゃんのやさしさが表れていますね。環境が大きく変わって、最初は戸惑うこともあるかと思いますが、引っ越しを選択してよかったと思えるような変化が見られるといいですね。
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