
義父の介護をしていたある日、思いもよらない光景を目にしました。その瞬間の衝撃と、そこから学んだ「寄り添う介護」の大切さを、今でも鮮明に覚えています。
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冷蔵庫の中にあったもの
夕食の準備をしようと冷蔵庫を開けたとき、私は目を疑いました。そこには、義父の靴がきれいに並べて入っていたのです。さらに、冷凍室には靴下まで。最初は誰かのいたずらかと思いましたが、すぐに義父の仕業だと気付きました。
その日、義父は朝から「靴が暑い」と何度も言っていました。どうやら、認知症が進行していた義父は「靴は冷やしておくもの」と思い込んでしまったようです。
怒らず、受け止めるという選択
まさか冷蔵庫に入れるとは夢にも思わず、家族全員がぼうぜん。食品とは分けて入っていたため衛生面の問題はありませんでしたが、笑うに笑えない出来事でした。
この出来事をきっかけに、私は義父の行動を「間違い」と決めつけず、まず受け止めることを意識するようになりました。義父にとっては真剣な行動であり、怒ったり否定したりすると不安や混乱を招くだけだと気付いたのです。
介護は予測不能の連続だけど
それ以来、「靴が暑い」と言われたときには、靴専用の涼しい保管場所を用意し、「ここに入れてね」とやさしく伝えるようにしました。
介護は予測不能の連続で、常識が通じない場面も多くあるもの。小さな工夫でしたが、そのおかげで義父も落ち着いて過ごせる時間が増えました。
まとめ
今回のような出来事は一見ユーモラスでも、背景には本人の不安や混乱が隠れています。介護者として大切なのは「正しさを押しつけること」ではなく、「相手の世界を理解しようとすること」。柔軟な対応と心の余裕、そして家族の協力があってこそ、穏やかな介護が成り立つのだと実感しました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:佐々木陽子/50代女性・パート
イラスト/おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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