
ある日の夕方、5歳の孫と一緒に買い物へ出かけたときのことです。何げない日常のひと幕が、思わぬ恥ずかしさと子どもの純粋さを改めて感じる出来事になりました。
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レジ前で響いた思わぬひと言
その日、私は孫と近所のスーパーへ向かい、お菓子や果物を選んでレジに並んでいました。夕方で混み合う列の中、突然、孫が大きな声で「おじいちゃん、お金足りるの?」と言い放ったのです。
その瞬間、周囲のお客さんが一斉にこちらを見て、私は顔が熱くなるほど恥ずかしくなりました。財布にはしっかりお金が入っていたものの、まるで本当に支払いに困っているかのように見えたのでは……と、内心ひやひやしていました。
思いがけない理由と、子どもの真っすぐさ
家に帰って落ち着いてから、「どうしてあんなことを言ったの?」と孫に尋ねました。すると、以前私が「節約が大事ね」と話した言葉を覚えていて、心配になって聞いたのだと言うのです。
悪気などまったくないことはわかっていましたが、あの場で浴びた視線を思い出すと、今でも少し冷や汗が出ます。それでも、孫の純粋な気持ちが伝わり、胸がじんわり温かくなりました。
恥ずかしさをきっかけに伝えた「言葉の選び方」
今回の出来事を機に、孫に「人前で言うと少し恥ずかしいこともある」ことをやさしく話しました。
頭ごなしに叱るのではなく、なぜその言葉が困るのかを丁寧に説明すると、孫は照れくさそうに笑いながら「わかった」と答えてくれました。その姿に、成長の一歩を感じた気がしました。
まとめ
孫の素直なひと言に振り回された出来事でしたが、それ以上に、その真っすぐな心の動きを知る機会にもなりました。これからも孫と過ごす時間を大切にしながら、自分の言葉の一つひとつに責任を持って接していきたいと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:橋本元/60代男性・会社員
イラスト/おんたま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
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