
以前、私が父の介護をしていたころのことです。認知症を患う父は、日中は落ち着いて過ごせていたため、深夜にまさかの出来事が起こるとは思いもしませんでした。あの日の恐怖と衝撃は、今でも忘れられません。
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深夜の異変に気付いた瞬間
冬の深夜、ふと目が覚めた私は、居間にいたはずの父の姿が見えないことに気づきました。玄関の鍵はたしかに閉めていたので外出の心配はしていませんでしたが、家の中を確認すると、勝手口が開いており、そこから外へ出てしまったことがわかりました。
急いで上着を羽織り、真夜中の住宅街を探し回りました。父の名前を呼びながら歩くうちに、焦りと恐怖で胸が締めつけられるようでした。
警察からの連絡と安堵
必死に探しても父は見つからず、頭の中は最悪の想像ばかりがよぎりました。そんなとき、警察から「お父様を保護しています」と連絡が入りました。父はパジャマ姿のまま、地域の国道沿いを歩いていたところを通行人に見つけられ、通報していただいたとのことでした。
無事であると知った瞬間、安堵のあまりその場に立ち尽くしました。同時に、これまでどこか他人事のように思っていた「徘徊」という出来事が、ついに自分の家庭に現実として起こったことに強い衝撃を受けました。
家の対策と支援機関との連携
この出来事をきっかけに、私たちは家の安全対策を見直しました。玄関や窓には補助ロックを取り付け、深夜にはアラームが作動するように設定しました。
さらに、地域包括支援センターに相談し、デイサービスや見守りサービスなど、地域の支援を組み合わせて利用することにしました。家族だけの介護では限界があることを、身をもって感じた出来事でした。
まとめ
父の深夜の徘徊は、介護において「まさか」が実際に起こり得るということを痛感させる出来事でした。今回の経験から、過信せず最悪の事態を念頭に置くこと、そして家族だけで抱え込まず、地域や専門機関と連携しながら支えていくことの必要性を改めて実感しました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:高橋誠一/30代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
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