
地方で暮らす90歳になる義母を訪ねたときのことです。久しぶりの訪問に、義母はどこかうれしそうな様子でした。そんな中、思いがけないものを手渡され、私は戸惑うことになります。
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家の嫁に代々受け継がれてきたという布包み
義母は「これは家の嫁代々に受け継がれてきたものよ」と言いながら、大きな布包みを差し出してきました。
何だろうと思いながら開けてみると、中から出てきたのは直径30cmほどの大きな漬物石でした。表面は黒光りしていて、ところどころ欠けていました。
義母はその石を見つめながら、「家の女の幸せを守る石だから、大切に使いなさい」と、誇らしげに話してくれました。
都会暮らしの私には重すぎる存在
都会のマンションで暮らす私たちにとって、これほど大きな石を置く場所はありません。そもそも、漬物を作る習慣もほとんどないため、正直どう扱えばいいのかわからず、困惑してしまいました。
内心では「いらない…」と思いつつ、「でも、もう漬物はあまり作らないし……」と口にすると、義母の表情が少し曇りました。義母は心配そうに、「お前さんが嫁に来てから体が弱いのは、この石がないからだと思っていた」とつぶやきました。その言葉を聞いたとき、私はハッとしました。
たしかに結婚当初、体調を崩しがちな時期はありました。ただ、当時の私は、慣れない環境での緊張や生活の変化が原因だと思い込んでいたのです。
重い石に込められたもの
結局、その漬物石はマンションに持ち帰り、今ではベランダの片隅に置いています。最初は戸惑いのほうが大きかったのですが、この出来事を通して、義母の愛情表現はとても独特な形で現れるのだと気付きました。
見た目はただの重い石かもしれません。けれどそこには、家族の健康や幸せを願う義母なりの思いが込められていたのだと思います。
まとめ
その石を見るたび、遠く離れた場所で私たちを気にかけながら暮らす義母の姿が浮かび、胸が少し温かくなるのでした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:松下はな/60代女性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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