認知症で徘徊、転倒リスクがあると受け入れてくれる施設が少ない【介護施設探しの体験談】

認知症で徘徊、転倒リスクがあると受け入れてくれる施設が少ない【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

S.N.さんのおばあさまは骨折で入院。治療が終了した時点で、家族は自宅へ戻るか施設へ入居するかの選択を迫られたと言います。

認知症で徘徊、転倒リスクがあると受け入れてくれる施設が少ない

【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護3
<入居期間>2013年4月~8月
<居住地域>長野県
<話を聞いたかた>孫

入居者との関係

祖母です。

医療的ケア・疾患、症状など

脳血管障害である認知症の祖母。いわゆるまだら呆けという程度で孫である私の顔は覚えていましたが、食事をしたことを忘れることがありました。
また、バランスが悪く歩くときは歩行器を使用していましたが、常に転倒リスクがありました。

入居を決めた時期と理由

入居を決めたのは同居していた叔父です。
徘徊があり家からすぐに出かけてしまい、迷子になったり転倒して骨折をしたりを繰り返していました。
骨折で入院したときは、身体拘束をされて過ごしていました。

徘徊がひどい祖母を受け入れてくれる施設を探していたところ、病院の医療ソーシャルワーカーが受け入れ先を見つけてくれました。
職員が不足しているなどの理由で、転倒リスクがあるとなかなか受け入れてもらえない施設が多かったので助かりました。

施設の探し方

医療機関だと、治療が終了するとすぐに自宅に戻るように指導していますが、自宅介護は難しかったですし、認知症で徘徊があり転倒リスクも高い祖母を受け入れてくれる介護施設は見つかりませんでした。

医療ソーシャルワーカーが介護施設に相談の電話をかけても断られ、結局、長期間ベッドに拘束されたまま入院していました。
ようやく入居先の施設が見つかりましたが、改めて転倒のリスクがあることを説明されました。

入居の手続き、ステップ

医師から骨折の治療が終了したことを説明された場面に医療ソーシャルワーカーが同席、自宅に戻るか介護施設を探すかするようにと話がありました。

早速、介護施設を見学、説明を受けて入居を申し込みましたが、受け入れてくれる施設が見つからないため、入院を継続しました。
介護施設相談員から病院の医療ソーシャルワーカーにベットの空きが出たという連絡があり、介護施設の調査を経て入居となりました。

入居して良かったこと

介護施設の相談員がよく話を聞いてくれました。
また入居後は、笑顔で他の入居者と話をするなど、祖母も楽しく過ごせていたようです。病院では身体拘束されていましたが、介護施設では拘束は原則禁止、祖母も自由に暮らせていたと思います。
また祖母はレクリエーションなど体を動かすことが好きだったため、施設での生活を楽しんでいました。

介護施設には、医師が往診に来てくれますし、看護師さんも常駐していたので医療面はとても安心していられました。
また、常時面会ができるので、家族は安心して遊びに行くことができました。
家族と一緒なら外出もできましたから、祖母の生活は充実そのものだったと思います。

入居して大変だったこと

少しでも熱が出ると、施設相談員から電話で報告してくれるのですが、緊急なのかとあわててしまうことがありました。
介護施設も責任があるので連絡はとてもありがたいのですが、仕事で忙しいときは電話に出られないこともあり少々困りました。
しかし、いつも祖母の体調を気にかけてくれている存在があることはありがたかったです。

入居を検討しているかたへのアドバイス

最初の面談時に、しっかりと説明してくれる介護施設をおすすめします。
介護付き有料老人ホームは料金は高いですが、料金に合わせたサービスを提供してくれます。施設相談員が自信をもって入居希望者の心配に答えてくれる施設は、現場の職員の質も高く、入居者も安心して暮らすことができる施設だということがよくわかりました。

また、看護師や介護士などの現場の職員がこちらの質問に対して、根拠を明らかにしたうえで説明できる施設は良い施設でしょう。
実際に自分の目で見て、耳で聞いて施設を選ぶと良いと思います。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

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