
娘が「彼氏を家に連れてくる」と言った日のことは、今でもはっきり覚えています。父親として覚悟はしていたつもりでしたが、いざその日が来ると、心はまったく落ち着きませんでした。
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初対面の日、落ち着かない父
娘が初めて彼氏を家に連れてくることになりました。父親である私は、どう対応すればよいのかわからず、朝からそわそわしていました。そんな私に、妻は「堂々としていればいいのよ」とひと言。
堂々と? 言葉の意味はわかります。しかし、私の人生で「堂々とする」場面など、ほとんどなかった気がします。そもそも、そんなシチュエーションがなかったのです。
そうこうしているうちに、玄関のチャイムが鳴りました。インターホンのモニターを見ると、娘の隣に立っていたのは、華奢な体型で、どちらかというとおとなしそうな印象の青年でした。その姿を見た瞬間、思わず心の中でつぶやいてしまったのです。
「この子なら、私でも勝てそうだ」
何に勝つのかはわかりませんが、とにかくその瞬間、生まれて初めて「堂々と」してみようと思いました。
娘のひと言に受けた衝撃
いざ対面し、ぎこちない空気が流れる中、娘が彼に向かって「ほら、私のパパに似てるでしょ?」と言いました。一瞬、時間が止まったように感じました。ということは——娘にとって私は、「華奢で見た目が弱そうな男性」なのか? 胸の奥に、ずしりとした衝撃が走りました。
父親としては、もっと頼もしく、娘を守れる存在でありたいと思ってきたつもりです。できれば、娘をしっかり守ってくれる男性に託したいという気持ちもありました。それなのに、娘の中の私は「似ている存在」だったのです。正直、かなりショックでした。
思わぬ共通点と妻の笑い
この出来事を友人に話すと、「娘さんが父親に似た人を選ぶなんて、素敵なことじゃないか」という意外な反応が返ってきました。そう言われても、私の中ではどうも素直に受け取れません。「何が素敵なんだ」と思ってしまう自分がいました。
そのことを妻に打ち明けると、妻は吹き出すように、「お義父さんもあなたと同じで、やさしそうな見た目だったでしょ」と笑いました。言われてみれば、その通りでした。私の義父も、穏やかで、どちらかといえば物静かな印象の人です。
そこでふと、「類は友を呼ぶ」という言葉が頭に浮かびました。娘にとって、私はどんな父親に映っているのか。本当のところはわかりません。ただ、似ていると言われた彼を、娘が選んだという事実だけは確かです。
まとめ
守る強さだけがすべてではないのかもしれない——そう思い始めたものの、やはり少し複雑な気持ちは残っています。父親という立場は、最後まで慣れないものだと実感した1日でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:八木ナオ/50代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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