厚生労働省は2020年9月15日、100歳以上の高齢者が初めて8万人を超えたと発表した。
今年9月15日時点のデータ。前年から9176人増加し、8万450人となった。100歳以上の88.2%は女性。増加は50年連続で、今回は過去最大の増加数を記録している。
長寿化が進んでいる実態が改めて浮き彫りになった。今年度に100歳を迎える人は大正9年の生まれだが、その年の出生数が多かったことも1つの要因。医療・介護サービスの質が向上したことも背景にあるとみられる。
厚労省は今後もこうした傾向が続いていき、本格的な“人生100年時代”が訪れると睨む。健康寿命の延伸を実現し、およそ10年ある平均寿命との差をできるだけ縮小していくことが課題だ。
100歳以上の高齢者は、老人福祉法が制定された1963年当時はわずか153人だった。1981年に初めて1000人を超え、1998年には1万人を、2012年には5万人を突破。これまで一貫して右肩上がりで推移してきたが、近年は一段と増加ペースが上がっている。
厚労省によると、今年度に新たに100歳を迎えるのは4万1802人。人口10万人あたりの100歳以上の人口を都道府県別にみると、島根県、高知県、鳥取県の順に多い。 国内最高齢の男性は1910年(明治43年)生まれで110歳の上田幹蔵さん。奈良市内の老健施設に入所されており、長寿の秘訣を聞くと「何も考えず自然に身を任せています」と笑顔で答えるという。
国内最高齢の女性は1903年(明治36年)生まれで117歳の田中カ子(かね)さん。福岡市内の有料老人ホームに入っておられ、普段から美味しいものを食べ、オセロを楽しむなど元気で過ごされている。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint