介護保険が適用されても月々30万円もかかる費用が必要【介護施設探しの体験談】

介護保険が適用されても月々30万円もかかる費用が必要【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

要介護5のおかあさまが介護療養型医療施設(療養病床)に入居されたというN.S.さん。過酷な介護から解放されたことでおかあさまの認知症に冷静に向き合えるようになったそうです。とはいえ月々30万円という費用を捻出するのは大変だと話します。

介護保険が適用されても月々30万円もかかる費用が必要

【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>介護療養型医療施設(療養病床)
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護5
<入居期間>2017年4月〜
<居住地域>千葉県
<話を聞いたかた>長男

入居者との関係

実母です。

医療的ケア・疾患、症状など

重度の認知症を患っており、せん妄・被害妄想等があります。

入居を決めた時期と理由

認知症が進行し、在宅介護が困難になったので現在お世話になっている病院に入居させました。この病院は完全介護を院内で実施している点が良いと思いました。私や家内・娘と院内見学をして、家族全員で入居に見合っているところだと考えました。

入院費もさほどかからないことから、今までの在宅介護と同じ費用で母親を入居させられるというのも、入居を決めたきっかけにもなりました。現在は院内の看護師・介護士に母の面倒を見てもらっています。

施設の探し方

かかりつけ医から直接施設を紹介されたので、私自身で施設を探したわけではありません。ただし、どのような施設なのかをしっかり把握するために、病院の公式ホームページにアクセスをして病院の概要・実施しているケア・入院費等を確認しました。また現在入院をされている方々のご家族が寄せている口コミなど、インターネットで検索して詳しく病院の情報を手に入れたということになります。

入居の手続き、ステップ

当初は在宅介護をしていましたが、かかりつけ医の診断で認知症がかなり進行していることがわかり、現在お世話になっている病院宛てに紹介状を作成していただき、仮入院の手続きを行いました。その後、市役所の高齢福祉課に介護保険の見直しと、施設入居時に必要な書類の作成を依頼し、病院に提示しました。入居申し込みから実際に入るまでに、約2か月間の時間を経たことになります。

入居して良かったこと

入居させて良かった点は、私や家内が在宅介護の作業から解放されたという点です。それまでは昼夜問わず、母親の身辺の介護をして疲弊し、妻は身体を壊したこともあります。今は夫婦でゆっくりと平和な毎日を過ごせるようになりました。

そのため月に1度の見舞いで母と会う時間が楽しみになっているほどです。認知症という病と冷静に向き合えるようにもなり、介護療養型医療施設のありがたみを実感しています。

入居して大変だったこと

入居させて大変だったのは、毎月30万円もの入院費が必要になったことです。

介護保険が適用されているとはいえ、入院病棟の部屋が個室なので毎日6,000円の部屋代が要ります。さらに病院が用意している認知症の症状緩和ケアメニューを計12項目利用しているため、これらの費用も含むと月25万から30万円かかります。

我が家のの月収では到底支払うことができず、子どもにも助けてもらいながら費用を工面しています。

入居を検討しているかたへのアドバイス

介護は誰もが経験することで、今後はますます多くのご家庭でも直面する問題でしょう。在宅介護では家族全員が身体・精神的に苦しくなりますが、介護施設を利用することでその重荷から解放されます。大切な親に対してずっと愛情を抱き続けるためにも、専門施設の力を借りることが大切だと感じています。

入居費用等は介護保険も利用できるので、家族や本人にとってお世話になっても良いと思える施設への入居をお勧めします。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★介護療養型医療施設(療養病床)は、2024年3月末で廃止、「介護医療院」に替わります。詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

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