要介護1のおばあさま。施設が遠くなかなか面会にいけないでいると、家族の顔を忘れたり、自分が施設にいることを理解できなかったり、認知症が進んでしまったとS.R.さんは話してくれました。
認知症の祖母は自分がなぜ施設にいるのか理解できず混乱することも
【プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>住宅型有料老人ホーム
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護1
<入居期間>2018年4月〜
<居住地域>熊本県
<話を聞いたかた>孫
入居者との関係
父方の祖母です。
医療的ケア・疾患、症状など
調子の良いときは家族の判断がつきますが、普段は話していると途中で「あなたは誰だ」と質問することがあります。夜中にひとりで外に出かけようとすることもありました。
入居を決めた時期と理由
祖母の住んでいる家の隣に住んでいたため、認知症初期には対応できましたが、夜中に徘徊するようになってからは、日中仕事をしている私や家族は、見守ることができなくなりました。
祖母は以前から老人ホームに行きたいと家族に話したり、同年代の友人とパンフレット等を見ながら話し合ったりしていました。祖父は10年ほど前に病気で他界していたこともあって、家族でも話し合い、入居を決めました。
施設の探し方
この施設を、最初に見つけたのは祖母でした。友人に勧められたそうです。そのうえで、実際に私たちもちゃんとした施設かどうか、WEBの老人ホームの紹介サイトで確認したところ、詳細情報の記載がしてあり安心しました。
以前老人に対しての虐待などのニュースを見たことがあったので、介護職の友人にも確認すると、評判の良い施設でした。
入居の手続き、ステップ
最初の面談で、施設側から祖母の健康状態などについて質問がありました。その際、夜間の徘徊についてや祖母の希望条件を説明しました。
施設側の審査(介護度や健康状態、経済状況で審査と案内された)が済むと、実際に施設を見学、2日間の体験入居をしました。スタッフの印象と食事の味も祖母に合っていたようです。その後は、書類のやりとりを経て、入居となりました。希望してから比較的短時間で入居できました。
入居して良かったこと
施設は、普通のマンションと同様、部屋が独立していたため、今までの生活の延長戦のような形で生活ができています。スタッフの方もちょこちょこ話しかけてくれ、入居している方とも話せるようなスペースが設けらたりしているので、お茶をしながらおしゃべりができているようです。
これまで、自宅にいたときは一人で生活していたため、食事もあまり楽しくなく寂しく感じていたようですが、今は食堂で、他の入居者の方と他愛もない話をしながら楽しく食事ができていると話しています。
入居して大変だったこと
何度か面会をしましたが、自宅から老人ホームまで距離があるため思うように話す時間が取れません。これまで以上に会う機会が少なくなり、徐々に家族の顔を思い出すまでに時間がかかるようになってしまいました。
また、夫婦で入居している方の様子を見たあとに、祖父の写真を寂しそうに見ていることがあるとスタッフの方から近況報告があったので、慰めの言葉をかけました。しかし声をかけたことすらまた忘れてしまうため、同じことを何度も繰り返し話さなくてはなりませんでした。また、入居当初は自分がなぜここにいるのかが理解できず、スタッフの方に何度も聞いていたそうです。
入居を検討しているかたへのアドバイス
入居施設を選ぶことも重要だが、それより入居してからも面会することが大切な気がします。特に一人での入居は寂しく、認知症が進んでいる場合は、なぜこの施設に入居しているのか混乱してしまう可能性もあります。半月に1回でもいいので顔を合わせるようにして、入居してみての印象や感想などを聞くのもいいですね。またスタッフの方と毎日接することになるので、施設を見学するときには、特にスタッフの様子を見ることをおすすめします。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
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