介護付き有料老人ホームに入居したことで話し相手ができ、要介護5のおかあさまの笑顔が増えた一方、スタッフからきつい言葉を投げつけられ施設に相談した経験があるとS.S.さんは話します。
体験入居後、新施設に入居。笑顔は増えたがスタッフの対応に悩むことも
【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<入居年齢>70代
<介護度>要介護5
<入居期間>2020年4月〜
<居住地域>東京都
<話を聞いたかた>長女
入居者との関係
同居していた母です。
医療的ケア・疾患、症状など
食事をした直後に食べたことを忘れ、また食事をしたがるほど認知症が進行しています。
入居を決めた時期と理由
同居の家族が不在のときに便失禁をすることが多くなったことが、入居の直接的なきっかけです。
医者から処方された薬を服用すると下痢がひどくなり、ヘルパーさんからは「正露丸を飲ませてください」と言われ飲ませてみると今度は便秘になってしまいました。
紙パンツをはかなければならない母親は不本意だったのでしょう。母親がふと「もう自分では便をコントロールできなくなったよ」という言葉をもらしたことが最終的な入居の決め手になりました。
施設の探し方
最初は自宅周辺の10施設に申込書を送付したのですが、「聞き取り調査をさせてください」というリアクションがあったのはたったの1施設でした。
結局、聞き取り調査の日程を調整しているうちに、その施設の空きが埋まってしまい、自宅周辺で入居できることろはなくなってしまいました。
途方に暮れケアマネジャーに相談したところ、自宅から距離はありますが、新規でオープンする介護付き有料老人ホームに入居できる可能性があることがわかり、申込書を送付して入居する流れになりました。
入居の手続き、ステップ
申込書を送付後、施設の担当者が自宅に来て面談をすることになりました。
面談の内容を考慮した結果、担当者から「正式に契約する前に一度体験入居してみますか?」という打診があり、1泊だけ体験入居しました。
体験入居後に施設のスタッフから「当施設には認知症の方もたくさん入居しています。この方は特に問題行動がなかったので、ウチの施設でも大丈夫です」というお墨付きをもらえたので、その場で正式契約を結び、後日荷物を送って入居生活が始まりました。
入居して良かったこと
自宅にいた頃は日中に話し相手がいなくなることが多かったのですが、施設に入居したことで会話をする頻度が多くなり母親の表情に笑顔が増えたことが良かったです。
また、スタッフによるケアの一環でお絵かきをする機会があるのですが、直接言葉を交わさなくても、絵を見ることで母親の精神状態を推し量ることができる点も気に入っています。
なによりも同居していた家族が母親のことを安心して施設に預けることができ、日中の仕事に専念できるようになったことが一番の良かった点です。
入居して大変だったこと
母親から「怖いスタッフがいる」とこっそり言われたことがありました。施設内であるスタッフから「さっさと歩けよ」や「早く寝ろよ」と言われることがあるそうです。
事務責任者に内密に相談したところ、施設側が調査をしてくれて怖いことを言うスタッフを特定することができました。
そして配置転換をしてもらい母親と当該スタッフが二度と接触しないことで、この件は解決しました。ストレスを溜めたスタッフが入居者にやつあたりするリスクがあることを学びました。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設に入居するにあたって介護度が重要なポイントになりますが、介護度の認定は医師からの意見書に大きく影響されています。
忙しい医師は、場合によって意見書の内容を以前のものからコピペするだけのこともあるので、介護度に不満を感じているなら主治医を変えることをおすすめします。
意見書の内容が変わることによって介護度が変わるケースが多いからです。入居者の状態に合っていない介護度で入居してしまうと適切なサービスを受けられないリスクがあるので、まずは本人と家族が介護度に納得したうえで介護施設への入居を検討してください。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
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