老人ホームの相談事例<暴言やスプレーをかけてしまう!? 老人ホームに入所できるの?>【老人ホームの選び方 vol17】

老人ホームの相談事例<暴言やスプレーをかけてしまう!? 老人ホームに入所できるの?>【老人ホームの選び方 vol17】

こんにちは!千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長の石田です。

老人ホーム探しは難しいものです。なぜなら、人によって老人ホームに入る年齢も、要介護度も生活様式も趣味嗜好も、そして老人ホームにかけられるお金も違うからです。

しかも、希望の老人ホームが見つかったとしても、入所後に想定外のトラブルや困りごとが発生する可能性もあるのが難しいところ。

「老人ホームの選び方」では、私が過去にお受けした実際の相談事例を紹介しながら、注意すべき点を考えていきたいと思います。

ぜひ参考になさってください。

1.暴言やスプレーをかけてしまう!? 老人ホームに入所できるの?

1-1 入所対象者の状況

<性別>女性

<年齢>83歳

<介護保険>要支援2

<認知症>あり(まだら、暴言)

<必要な医療行為>なし

<既往症>高血圧、顕微鏡的多発血管炎、ぜんそく、子宮筋腫

1-2 相談内容

以前に当社に相談されたお客さまからのご紹介で、対象者のご家族さまから相談がありました。

対象者は、千葉県内で一人暮らし。車の運転もされていました。

しかし、顕微鏡的多発血管炎の治療のために2カ月程入院されたことで、退院後は筋力が低下、運転はもとより歩くのが精いっぱいとなってしまったそうです。食事は宅配食、その他の洗濯や掃除などの身の回りはご家族のサポートもあり、なんとかご自宅で生活することができていました。

しかしまた急に動けなくなり病院に再入院したところ、肺炎と診断されました。肺炎での入院は今回で3回目だったことから、退院後は施設に入所された方が良いのではと病院の看護師からアドバイスがあり、老人ホームの検討を始められました。

しかし、おかあさまはプライドが高い性格のため、入院中も興奮すると看護師に暴言を吐いてスプレーをかけてしまったことがあったそうです。ご家族はこのような行動をとても心配されており、プライドの高いおかあさまが老人ホームの生活に馴染めるか、入所しても退去させられるのではないかと、とても心配されていました。

おそらく本来の性格だけではなく認知症の進行の影響だとは思われましたが、暴言や暴力があると老人ホームに入所できないケースもあるため、ご家族が心配されるのも無理ありません。

また、数カ月前までは運転もできるくらい元気だったので、リハビリが出来るホームへの入所を希望されていました。

1-3 私の対応

まず、今回の入院で暴言や暴力(スプレーをかけた行為)があったのかを、事前に病院の担当ソーシャルワーカーに確認しました。

その結果、今回の入院では、看護師に文句を言うことはあっても、スプレーをかけるような行為はないとのこと。老人ホームの職員さんが上手く対応してくれれば、本人も穏やかに過ごせるのではないかというアドバイスがありました。

それも踏まえて、早速いくつかの老人ホームに問い合わせをしました。

前提として、「暴言や暴力があるのですが入所できますか?」と問い合わせてしまえば、O Kしてくれるホームはまずありません。

しかしその事実を隠して入所しても、入所すればわかってしまうことです。その場合、せっかく入居してもすぐに退去となったり、最悪の場合には、事実を隠して入所したことが契約違反となってトラブルに発展してしまったりすることも考えられます。

今回は、本人の職歴や性格面、認知症状、前回の入院時と違い今回の入院では比較的、本人が落ち着いている等を丁寧にホーム側に伝え、本人の状況を理解してもらったうえで、入所のご相談が可能な老人ホーム2軒をピックアップしました。なお、両ホームともにリハビリに力を入れていて、病院でのリハビリ内容を可能な限り継続できるよう対応してくれると回答がありました。

1)ご家族の家からは車で2、30分程度の距離の介護付き有料老人ホーム。作業療法士が常勤、週2日程度の個別リハビリを実施。リハビリ回数を増やしたい場合、外部からの訪問マッサージの利用も可能。

2) 医療法人グループの介護付き有料老人ホーム。大声を出したり介護拒否が強い方だったりするかたが過去に入居した実績がある。症状が強い場合は、連携している精神科の訪問診療ができる。

上記2軒を見学、ご家族の家から通いやすく作業療法士が常勤、リハビリが充実している点などが決め手となり、①のホームに申し込み。ご家族が心配していた本人面談後の審査も無事通りました。

数日後、担当相談員さまにご本人の状況を確認したところ、「私たちもびっくりするくらい穏やかに過ごされていますよ」と話していました。

1-4 今回の事例のポイント

・入院中に老人ホームを探すときは、本人の病状、身体状況などを担当ソーシャルワーカーや看護師・医師等にしっかり確認する。

・暴言や暴力と一括りにするのではなく、誰に対してどういうときにどの程度、暴言や暴力を振るうのかなど、できる限り具体的に老人ホーム紹介センターや老人ホームの担当者に伝えて相談する。

・入居者の希望するリハビリができるように努力してくれる老人ホームは、良い老人ホームといって良い。

2.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、入院中に暴言を吐いたり、スプレーをかけてしまったりする方の老人ホーム探しの事例を紹介しました。入居が難しい場合も、原因がわかれば解決の糸口も見つかる可能性はあります。

その際には、経験豊富な専門家に相談することをお勧めします。

次回も、実際の老人ホームの相談事例を基に解説します。

老人ホームの選び方(介護カレンダー)

記事提供:石田治男
千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス 所長
入居相談員 / 老人ホームアドバイザー

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