せん妄で不可解な母の言動には「理由がある」という医師の言葉に励まされた【介護施設探しの体験談】

せん妄で不可解な母の言動には「理由がある」という医師の言葉に励まされた【介護施設探しの体験談】

入院先からの紹介で療養型病院に転院されたT.Y.さんのおかあさま。せん妄により攻撃的になったおかあさまに翻弄されたそうです。しかし、そんな「不可解な言動には何か理由があるはずだから」と医師が励ましてくれたそうです。

せん妄で不可解な母の言動には「理由がある」という医師の言葉に励まされた

【プロフィール】
<入居者>母
<施設種類>療養型病院
<入居年齢>80代以上
<介護度>要介護3
<入居期間>2016年2月〜2018年3月
<居住地域>兵庫県
<話を聞いたかた>次女

入居者との関係

実の母です。

医療的ケア・疾患、症状など

せん妄があり、リスパダールやセロクエルなどの薬物でコントロールしていましたが、薬の副作用が出やすい体質で何かと苦労していました。

せん妄が出ているときは、猿が母に乗り移っているのではないかと思うくらいでした。

入居を決めた時期と理由

尿路結石による敗血症で命の危険があり、市立病院のICUに入院していましたが、その後の転院先として療養型病院を紹介され、私と姉で見学に行き決めました。

院内を見学した際の臨床心理士さんの対応も良く、スタッフの年齢層、男女比がバランスよく配置されていること、またスタッフ間のチームワークが良さそうでしたので、転院を決めました。

施設の探し方

入院・転院を調整する地域医療室のスタッフが、“受け入れ可能な療養型の病院”ということで紹介をしてくれました。

紹介してもらった病院以外にも、建て替えたばかりで尿のニオイがなく、面会者も気持ちよく過ごせる工夫がされていた病院を候補にしていましたが、私の自宅からは遠く面会に行くのが大変でした。電車とバスで行くとなるとかなり時間も交通費もかかります。

その結果、紹介を受けた療養型の病院は同じ市内にあるため、こちらに決定しました。

入居の手続き、ステップ

入院先の主治医が書いてくれた紹介状と、入院中に受けた介護認定の書類を持ち、まず私だけ転院先に行き診察を受けました。

「今はベッドも余裕があるので、受け入れOKです。内科病棟もありますが精神科が主体の病院なので基本は閉鎖病棟です。自由に出入りできないというデメリットなどもあります。それを踏まえて、まずは院内を見学し、どうするかを家族で話し合ってから結論を出してもらってかまいません。今すぐに結論を出さなくても待ちますので」と言われました。

このように、最初にデメリットをきちんと話してくださったことで、信頼感が増しました。

入居して良かったこと

医師や看護師やスタッフが、母を大事に扱ってくれたことです。

意識がなくなってしまったときでも、「今日はもう帰るけど、また明日来るからね」などと声をかけてくれていました。

母は、若い男性看護士さんのことを「お兄ちゃん」と呼び、若い医師のことも下の名前+先生で呼んでいました。

母の不可解な言動に私は翻弄されましたが、医師からは「何か理由があるはずだから、またよく話を聞きますね」と言ってもらえて、医者の質も良いなと思いました。

入居して大変だったこと

10日~2週間に1回くらいは面会に行っていましたが、そのときにせん妄が出ているとかなり辛かったです。

いつも優しい母に、「こんなもの要らない」とフリースのジャケットを顔に投げつけられたときは泣いてしまいました。

以前の母なら、「こんなん勿もったいなくて着れないわ」などと言うのにと、理解に苦しみました。

10日や2週間程会わずにいると、前回の面会時より状態が悪化していることもあったのでつらかったです。

入居を検討しているかたへのアドバイス

必ず見学をする、という事が大事だと思います。

スタッフが若い人ばかりだったり、逆に高齢者のスタッフばかりだというところは何かしら問題があるのかもしれません。

また、年がら年中求人広告が出ている施設も避けた方が良いでしょう。常に人手不足で年中求人を出しているのだと思います。

自分だけで探すのではなく、ケアマネージャーや病院の地域医療相談室などに相談するのも一方法だと思います。

ケアマネージャーも地域医療室のスタッフも「良い所を紹介してもらってありがとうございます」と言われたいので、極端に質の悪いところは勧めません。

※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

★介護医療院について詳しく知りたいかたは、こちらをご覧ください。

体験談の最新記事