田村憲久厚生労働相は2021年5月11日の閣議後会見で、75歳以上の高齢者から徴収する医療費の窓口負担を所得に応じて2割へ引き上げることに改めて理解を求めた。
「団塊の世代の方々が後期高齢者になっていく。医療保険制度の財政は厳しい。負担能力のある方には応分の負担をお願いしていく」。
田村厚労相はそう説明。「国民皆保険を守るためには、非常に申し訳ないが一定のお願いもしなければならない」と述べた。
あわせて「今後、2040年にかけて高齢化はピークへ向かっていく。まだまだ色々な改革をしなければならない。不断の見直しをしていく」とも語った。
後期高齢者の医療費の窓口負担は現在、現役並みの高い所得がある人を除いて1割。政府はこれを改め、単身で年収200万円以上(夫婦2人なら年収320万円以上)の人などを2割へ引き上げる方針だ。厚労省によると約370万人が負担増となる見通し。
国会では野党が、高齢者の”受診控え”につながるとして慎重論を展開している。法案は11日に衆院を通過した。田村厚労相は、「参院でもじっくりと議論を深めていきたい」との意向を示した。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint