限られた時間のなかでは、入居条件の厳しい特養は選択肢にはできなかった【介護施設探しの体験談】

限られた時間のなかでは、入居条件の厳しい特養は選択肢にはできなかった【介護施設探しの体験談】
連載タイトルPIC

千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

今回は、お父さまが介護付き有料老人ホームに入居されたケースです。

限られた時間のなかでは、入居条件の厳しい特養は選択肢から外さざるを得なかった

【体験者プロフィール】
<入居者>父
<施設種類>介護付き有料老人ホーム
<入居年齢>86歳
<介護度>要介護3 → 要介護4
<入居期間>5年
<現在>逝去
<話を聞いたかた>長女

入居者との関係

父です。86歳で入居して、昨年2018年6月に亡くなりました。入居したときは要介護3、亡くなったときは要介護4でした。

入居を決めた時期と理由

尿閉(尿が出なくなること)で入院して、そのまま長期療養型病院に転院しましたが、バルーンがとれたので、家に帰るか施設に入るかという状況になりました。ちょうどそのころ、母も病気で入院することになって、認知症が進んできた父をひとりで家に置いておくわけにもいかず、地域包括支援センターに相談に行きました。

施設の探し方

地域包括支援センターで紹介してくれた施設を何軒か見に行きました。贅沢をいえばきりがないけれど、そんなに悪くないという印象を受けたホームに決めました。お金のことを考えると、特別養護老人ホームは、いろいろな条件で点数をつけて入居の順番が決まるので、いつ入れるかわからず、選択肢から外しました。一番の決め手となったのは、母、妹、私、それぞれの家から通いやすい場所だったことです。

入居の手続き

父が歳だったこともあって、入居金型は選べませんでした。その分、月額利用料は高くなりました。

入居して良かったこと

父は認知症でも足腰が丈夫だったので、徘徊して迷子になることが多かったんです。だから、母の気苦労や負荷が減ったことはもちろん、私と妹の心配もぐっと減りました。

入居して大変だったこと

実は、夫の父が別の介護付き有料老人ホームに入っているのですが、そこは毎日の父の様子を細かく教えてくれるんです。比べてはいけないことはわかっているのですが、私が見ていないときの様子をもっと教えて欲しいなと思いました。

入居を検討しているかたへのアドバイス

入居金のないコースは、当然月額利用料が高くなります。多くの場合、施設に入る年齢で入居金のありなしが決まるようですが、長生きをすることを考えれば、入居金を払って月額を抑えたほうがいいと思います。要介護度が進めば、介護負担割合も増えるし医療費など入居するときには計算していなかったお金もかかることになりますからね。

老人ホーム・介護施設の選び方&体験談

老人ホーム・介護施設の選び方&体験談の最新記事