骨折をきっかけに特別養護老人ホームに入居した90歳のひいおばあさま。
介護していた70代のおかあさまは、精神的、肉体的負担から解放されたと東京都のS.F.さんは話します。
90歳の曽祖母が特養に入居。介護する70代の母は精神的、肉体的負担から解放された【介護施設探しの体験談】
【プロフィール】
<入居者>曾祖母
<施設種類>特別養護老人ホーム
<入居年齢>90歳
<介護度>要介護3
<入居期間>2007年〜2009年
<居住地域>静岡県
<話を聞いたかた>ひ孫
入居者との関係
母方の曾祖母です。
医療的ケア・疾患、症状など
入居前から認知症を発症、特に物忘れがひどく、次第に家族のことも認識できなくなっていきました。尿失禁の症状もありました。
自宅の庭で転倒、足を骨折、自足歩行が困難になりました。骨粗鬆症とも診断されています。
入居を決めた時期と理由
認知症で骨折して歩行が困難になった90歳の曾祖母の介護を70代の母が続けることが難しくなったことが施設入居を考えたきっかけです。
認知症の症状も進み記憶障害や判断能力の低下が著しい曽祖母は、骨折した際も自分がケガをしたということにも気が付かず、家族が帰宅するまで、庭で何時間も声もあげず動けずにいたようです。
そのことがあってから医療スタッフが常駐している施設へ入居させた方が、本人にとっても家族にとっても安心できるのではないかと考えるようになりました。
施設の探し方
以前からもの忘れのため通院していた病院で骨折を診てもらった際、祖母が介護がいっそう難しくなった旨を相談、病院の近くの特別養護老人ホームを紹介していただきました。
ちょうど施設に空きもあり、曾祖母の貯蓄で十分支払える費用だったので、他の施設を探したり調べたりすることもなく、家族で相談して、医師に勧められた特別養護老人ホームへの入居を決めました。
入居の手続き、ステップ
医師からの指示により入居に必要な書類を祖母が用意して、直接特別養護老人ホームに申し込みました。病院と施設が連携していたためか入居手続きもスムーズで、1週間ほどで入居できたように覚えています。
曾祖母も医師の指示をよく聞くタイプだったので、特に嫌がったり拒否したりする様子もなく入居を納得してくれました。
入居前には曾祖母と祖母の兄、母が施設を見学、ショートステイを利用したように記憶しています。
入居して良かったこと
介護する家族の負担が軽減したことが大きかったです。
曾祖母は認知症を患っていたため、何度も同じことを説明しなければならなかったり、他人の認識や記憶も曖昧だったりしたために、話が通じないことも度々ありました。
曾祖母の入居後は、家族の、特に母の精神的な苦痛が取り除かれたと思います。
家族とはいえ、尿失禁の処理をすることは決して気持ちの良いものではありませんでしたから、施設に入居させたことでその負荷が減ったことはとてもありがたかったです。
また、自宅での介護は曾祖母を一人にさせてしまう時間もあったため、心が休まる時間がありませんでしたから、入居してからは家族が安心して生活できるようになりました。
入居して大変だったこと
入居させてから大変だったことは特にありませんでした。
ほぼ毎日のように施設を訪ねていましたが、リハビリやレクリエーションなど自宅ではできなかったことをやっている曾祖母の穏やかな表情から、決して入居を嫌がっていなかったと感じました。
最期まで施設で過ごさせていただけたので、家族が大変なこともありませんでした。ただ、居室が四人部屋だったので、もしかしたら曾祖母本人にしかわからないような大変な点があったのかもしれません。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護施設はさまざまな種類があり、入居の条件や費用・サービスなどが違っていますから、利用目的をはっきりさせたうえで入居者に適した施設を選ぶのが良いと思います。
家族の通いやすさや本人が好む雰囲気は、入居後のトラブルや家族の大変さにつながります。入居予定者が自分ではない場合、意思の疎通が可能であれば、医師などの第三者も交えてしっかりと話し合い納得したうえで施設を決めることが大切だと思います。
また前もって入居したい施設を調べて予約しておくことや予算を立てて費用を工面しておくことも、将来への安心につながるのではないでしょうか。
※入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
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