60代後半になると難しくなる賃貸マンションの契約。将来を見据えてシニア向け分譲を購入【介護施設探しの体験談】

60代後半になると難しくなる賃貸マンションの契約。将来を見据えてシニア向け分譲を購入【介護施設探しの体験談】
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千葉老人ホーム・介護施設紹介所リーブス所長、老人ホームアドバイザーである石田治男さんが「老人ホーム」を探す際の考え方や欠かせない知識、実践的なテクニックを教えてくれました。また、家族や親戚などを老人介護施設へ入居させた経験がある方の体験談も紹介します。

新しい住まいを探していたK.A.さんの伯母さま。しかし、一般の賃貸マンションなどは60代後半になると契約が難しいことから分譲マンションに絞って探していたそうです。当時は一人で暮らすことに何の問題もなかったそうですが、将来介護が必要になったときのことを考えて、シニア向け分譲マンションを選びました。

60代後半になると難しくなる賃貸マンションの契約。将来を見据えてシニア向け分譲を購入

【体験者プロフィール】
<入居者>伯母
<施設種類>シニア向け分譲マンション
<居住地域>茨城県
<入居年齢>60代
<介護度>自立
<入居期間>2019年4月〜
<話を聞いたかた>甥

※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。

入居者との関係

母の姉です。

入居を決めた時期と理由

配偶者を亡くした伯母は新しい住まいを探していました。

橋本病を患っているものの、基本的には健康で、介護施設に入る必要はないという考えでした。

しかし、一般の賃貸マンションなどは60代後半になると契約が難しく、分譲マンションに絞って新居を探していました。

そこでシニア向け分譲マンションの存在を知り検討し始めます。体調不良になったらサポートがありますし、介護が必要になったときにも助けてもらいやすいという理由で、シニア向け分譲マンションにしました。

施設の探し方

伯母は私の母と非常に仲がよく、月に1回ペースで遊びに来ます。そのときに住まい探しをしていると聞き、母と私が手伝って施設探しを始めました。

探し方はインターネットを中心に、候補になりそうなシニア向け分譲マンションをどんどんリストアップしていきました。

茨城県には候補となるところが少なかったので、すべての候補物件を回りました。また、多くの施設で宿泊の体験サービスをしており、ほとんどの施設で体験後、決定しました。

入居の手続き

入居したいマンションを決めたあと、不動産会社に行って契約を交わしました。
伯母が入居するマンションは、中古の空き物件でしたので、すぐに入ることが可能でした。

引っ越しは、配偶者と住んでいた家の片付けをし、引っ越し業者を不動産会社から紹介してもらいました。

長年使っていた家具や衣類、書籍などをほとんど処分したので、わずか2時間ほどで終わりました。そういう意味でも、一般の分譲マンションとほとんど違いがありませんでした。

入居して良かったこと

分譲マンション内で良い友人が大勢できた点です。

シニア向け分譲マンションですから、入居しているのは健康なシニアばかりです。マンション内には温泉や囲碁・将棋室などもありますから、遊び相手には困らないそうです。

体調が悪くなったら助けてくれるサービスなどもありますが、今のところそれほどお世話にはなっていないそうです。また、マンション内でサークルなどもあり、飽きることなく毎日充実した時間を過ごせているとのことですから、楽園のようでうらやましいです。

入居して大変だったこと

今のところ問題は起こっていませんが、コロナウイルスなど、施設内で病気が蔓延するのが心配です。免疫力の低い人が多い環境ですから、本人が気をつけても流行りだすと食い止めるのは難しいと推測しています。

また、電車移動について不安があります。伯母は茨城県で生まれて茨城県で育った人ですから、知り合いのほとんどが茨城県内にいます。入居前は自動車移動でしたが、慣れない電車移動を高齢になってから始めたので心配です。

入居を検討しているかたへのアドバイス

どこの施設のスタッフも見学時には親切で、サービスの良さをアピールします。

しかし現実は業界全体で慢性化する人手不足などの影響で、不十分な点があります。そのギャップを把握するには、実際に入居している人の声を聞くことです。

知り合いに入居している人がいるならば、足を運んで聞くのがいいでしょう。候補となっている施設でなくとも、サービスの内容が似ているのであれば入居後のイメージがずっとしやすくなるはずです。

『シニア向け分譲マンション』って誰でも買えるの!?【介護1年生の編集者が調べてみた vol19】


<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用

<目安>マンションWebサイトより
●価格  2880万円〜3700万円
●その他の月額費用
・管理費、修繕積立金、厨房維持費
●引き渡し時一括支払い費用
・管理運営費、ライフサービス預かり金

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