厚生労働省は2022年3月31日、介護保険の負担割合証や「補足給付」(*)の負担限度額認定申請書などの様式から、性別の記載欄を削除すると発表した。同日から適用。
* 補足給付
介護施設に入所する低所得者の食費、居住費を助成し、その自己負担を軽減する支援措置。市町村民税非課税の人などが対象で、個々の経済状況に応じて段階的に自己負担の上限額が定められている。
全国の自治体や現場の関係者に対し、介護保険最新情報のVol.1057やVol.1058で広く周知している。
介護関連で見直しの対象となるのは、
1. 介護保険負担割合証
2. 介護保険負担限度額認定証
3. 介護保険特定負担限度額認定証(特別養護老人ホームの要介護旧措置入所者に関する認定証)
4. 介護保険負担限度額認定申請書
などの様式。厚労省は経過措置として、さしあたり既存の様式を使い続けることなども認めている。
今回の見直しは自治体からの提案に基づくもの。兵庫県の明石市らが以前から、「(医療・介護にとどまらず)各分野の届出様式から性別記載欄を削除すれば、性的マイノリティの人が性自認と一致しない性別を選択するなど、心理的な負担を軽減できる」と働きかけていた経緯がある。
医療・介護の分野では、男女で疾患や診療行為、求められる対応などが変わることも少なくないため、性別の確認が必要になりやすい。今回対象となった様式は、別の書類でも性別の確認が可能なことなどから見直しが図られた形だ。
情報提供元:介護のニュースサイトJoint