入院生活が長かったM.K.さんのおばあさまは退院しても介護が必要な状況であったため、病院からのアドバイスもあって、施設への入居を決めました。ソーシャルワーカーに本人に合いそうな、また家族が面会に行きやすい施設をピックアップしてもらい、実際に見学に行って決めたそうです。入居後はおばあさまの希望もあり、家族は頻繁に面会に行きましたが、かなりの負担だったと当時を振り返ります。
施設への入居は本人と家族の穏やかな生活のために必要な選択<介護老人保健施設>
【体験者プロフィール】
<入居者>祖母
<施設種類>特別養護老人ホーム
<居住地域>神奈川県
<入居年齢>70代
<介護度>要介護3
<入居期間>2001年11月~2006年5月
<話を聞いたかた>孫
※ 体験談は、利用者の入居時点の情報であり、あくまでも個人の感想です。
入居者との関係
祖母です。
入居を決めた時期と理由
祖母は、施設へ入居するまで病気のため10年以上、入退院を繰り返していました。
病気は完治し、医療的なケアが必要なくなったものの、入院生活が長かったこともあって、自宅で過ごすには、身体の面で介護が必要でした。
しかし自宅での介護は、家族の事情により難しく退院時に長年入院していた病院からアドバイスをいただき施設への入居を検討したことがきっかけです。
本人にも相談、入居を納得してもらえたので施設への入居を決めました。
施設の探し方
退院時にソーシャルワーカーに相談しました。約10年間の入院生活の間にあった一時退院や一時帰宅を考えても、家族が自宅で介護することは難しいと判断しました。
また、本人の病状が良くなっていて入院の継続は難しいという判断が出てしまいました。そこで担当医から病院の相談スタッフに連絡をとっていただき、本人の状態で入居可能な施設、入居時期などから探していただきました。待つ期間もありましたが入居可能となりました。
入居の手続き
まず、入居可能施設の絞り込みから始めました。ある程度の数の施設を紹介していただき、家族が面会に行きやすい施設のなかから、数カ所見学に行き、本人に合いそうな施設を探しました。
施設を決めた後は、必要な書類の準備、入居の申し込みが必要です。
入居時には審査もありましたが、本人の状態を把握しているソーシャルワーカーに紹介してもらっていたので問題なく申し込みが進みました。
入居して良かったこと
家族の介護による負担がなくなったことが、一番のメリットだと感じています。
もちろん初めは家で過ごさせてあげたいという気持ちもありましたが、一時帰宅の際など本人も家族の負担を感じて過ごしにくくしている様子もあったため、施設への入居は、家族と本人が穏やかに生活していくうえでは必要なことだったと思います。
亡くなるまで入居していましたが、認知症の症状などへの対応も家族では難しかったと思います。その点、専門的なケアを行っていただいたので、家族は安心しておりました。
入居して大変だったこと
本人が家族の面会を望んでいたため頻繁に行くことになりましたが、かなり大変だと感じていました。
できる限り自宅から通うことのできる施設を選んだものの、毎週末のように子どもを連れて面会に行くことは、負担になっておりました。ただし、自宅で過ごしたいという本人の気持ちを考えると、その程度の負担は仕方がないと思っていました。
また、入院生活が長かった分、本人が施設での生活に慣れるまで大変でした。
入居を検討しているかたへのアドバイス
介護が必要だと感じ始めた時点で、相談先などへ連絡したり、情報集めを早めに始めたりすることが大切です。
施設によっては入居できるまでかなり時間がかかることもあり、状況によっては選択肢が減ることにもなります。短期間ではなく長期間過ごすことがわかっているのであれば、ある程度本人の過ごしやすさも重視したいものです。
また、入居したい時期と入居可能時期は一致しないこともあります。本人や家族が面会を望んでいても、距離的に難しくなってしまうことや希望の施設への入居ができないなどの問題は、早めに動き出すことで減らせると思います。
<参考>入居時にかかった費用と月々かかる費用
利用者負担段階が第4段階以上(2割負担)、要介護3の場合
・月額利用料:128,697 円
食事代、居住費、おやつ代、管理費、クラブ参加費等
※編集部調べ(令和3年10月時点、該当施設ホームページ参照)